内容説明
1897年春、豪州人ジャーナリストのG.E.モリソンはロンドンタイムズ特派員として北京に着任した。そしてイギリスの在清利権をロシアが侵そうとしていることに気付いた彼は、ロシア南下の驚威に苦しむ日本に対露決戦を焚きつけるべく情報戦を仕掛け始める。日露戦争の「陰の仕掛け人」と呼ばれるモリソンの日記をもとにその暗躍を描き、開戦から講和までを国際的視野から捉えた画期的労作。
目次
1 暴露(世紀のスクープ;日本外交、元服す;北京名物ドクトル・モリソン;手詰り)
2 工作(日英同盟;満州再燃;吠える戦争屋 ほか)
3 開戦(奇襲攻撃;神出鬼没の特務班;タイムズの勇み足)
著者等紹介
ウッドハウス暎子[ウッドハウスエイコ]
ソウル市生れ。早稲田大学在学中にオーストラリア・カンタス航空のスチュワーデスになり、その後、在シドニー日本国総領事官の翻訳担当および秘書、フリーランスの国際会議同時通訳などに携わる。この間、パリのアリアンス・フランセーズ、ミュンヘンのゲーテ・インスティテュートに学ぶ。シドニーのマッコーリ大学仏文科卒。シドニー大学東洋学部で日本語を教える。2000(平成12)年、シドニー大学歴史学部で英論文“G.E.Morrison and Anglo‐Japanese Relations in China,1906‐1912”により博士号を取得。在シドニー
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
47
愛国心に基づく義。加えて、持って産まれた冒険心。転機は義和団の乱。ジャーナリストの枠を超えた諜報活動と、日本政界・言論界との連携で体言。日英同盟が想定外というのも納得感。英仏路独の”外交力”に舌を巻く中、亀井氏の奮戦が印象的。モリソン氏同様の心意気!言葉じゃないんだよなぁ。タイムズ紙の存在感も、ジャーナリズムとしての哲学が根底。興味深いのが、「堀部直人」。47人目か・・・、青木氏の処理も意気であり粋だなぁ。一方、補償金2ドル?!帝国主義と黄禍論の産物が悲しき現実。2016/01/09
James Hayashi
17
ジョージ・アーネスト・モリソン 1897ー1920まで北京。ロンドンタイムズ紙の特派員を務めた豪州人。日露の国の外から見た戦争。よく調べられているが、読み物としては面白みなし。2015/12/11
鈴木誠二
0
西洋の目から見た、日露戦争前史ですね。2014/01/30
うえ
0
敵国との交渉術だけでなく同盟国との交渉とは。2012/05/19