出版社内容情報
尊王攘夷の嵐が吹き荒れる中、単独で開国に踏みきり、あくまでも幕府主導による国内統一を目指した直弼。時代と対決した男の生涯。
感想・レビュー
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bouhito
4
タイトルを読むと、己の信念を貫き通すことが善いかのようだけど、それは全く違うと思う。そういうのは前時代的な価値観だ。しかし直弼は前時代的な価値観を持ちながら、大局的で前向きな思想を持っていたとも言えるし、その矛盾こそが彼に悪夢を用意したとも言える。一体、いつから直弼の歯車が狂いだしたのだろうか。素人考えだが、直弼が「自らが正義である」と信念を抱いた瞬間からではないだろうか。感覚的に言えば「力んだ」のだと思う。しかし、彼が力まなかったら、便秘気味の日本国から開国という名のウンチは出なかったのだ。2015/08/29
シュラフ
0
「桜田門外ノ変」で暗殺された大老・井伊直弼の生涯。日米修好通商条約の締結、遣米使節の派遣など豪腕であった。当時、日本を取り巻く環境は厳しく国の舵取りを一歩間違えば欧米諸国の植民地にされかねないという危機にあった。現代からみれば日米修好通商条約の締結やむなしと思えるが、孝明天皇の勅許を得なかったことが攘夷派の強い反発をかった。後の「安政の大獄」と「桜田門外ノ変」につながる。本来であればもう少し評価されてしかるべきだが、「安政の大獄」のおどろおどろしさや薩長派閥の影響もあり評価が低すぎるように思われる。2012/10/06
ホームズ
0
1998年1月23日初読