新潮文庫<br> 道元の冒険

新潮文庫
道元の冒険

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  • サイズ 文庫判/ページ数 383p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101168036
  • NDC分類 912.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nbhd

18
「君の名は。」のブーム、高校生の男女が夢の中で入れ替わるストーリーだと聞いている(見てない)。驚くことに、クレイジー井上ひさしによるこの劇作も構造的には同じ。ただ、それが高校生の男女ではなく、鎌倉時代に禅をきわめた道元さんと現代のセックス教団(男女合体血清教という)の教祖が入れ替わるのだから、おかしな事になっている。史劇をダシに散りばめられる破壊的な笑いが刺激的だ。併録の「十一ぴきのネコ」の方はというと、愛らしいネコちゃんたちが主人公なのに、主題は「飢え」であって、これはこれで鬼気迫るクレイジー具合だ。2016/10/19

Mark.jr

4
道元の生涯と思想を題材にした「道元の冒険」。演劇ならではの仕掛けとギャグに言葉遊びをふんだんに盛り込んだセリフ回しと、抜群の面白さです。芝居として完璧に演じられた時、数倍面白くなるのがよく分かるのは、文学的だけでなく演劇的な面白さに溢れてからでしょう。 誰もが一度を目にしたであろう馬場のぼるの絵本を換骨奪胎した「11匹の猫」。"子供とその付き添いのためのミュージカル"と副題にあるように、基本は子供向けらしい楽しさが軸にありますが、ラストとは皮肉と苦味が強いもので、そこに著者の批評眼を感じます。2023/10/23

織沢

1
表題作のみ読了。井上ひさしの作品は初めてだったのだが、ひょいと来るユーモアが可笑しかった。道元の軌跡を確りと書きながら現代の色狂人と主体が入れ替わり(誰が感想で井上ひさし版君の名はと言っていたが、言い得て妙だと思う)、最後にはどちらが本物でどちらが空(くう)なのかという仏教的な終わり方が印象的だった。 あと「トラ!トラ!トラ!中国のトラだからシナトラだな」ってのが個人的に好きだった。 『11ぴきのねこ』の方も読むつもりだったが、年内に読み終えなければならない本が他にもあるので来年に持ち越そうと思う。2019/12/18

貴人

0
戯曲の形で書かれた道元の物語。といっても全然難しい話じゃなくて、全編ギャグ。特に天台出身の鎌倉仏教代表者の論争の場面はなかなか。こんなとんでもな話が書けるなんてギャグとはくだらないことに非ずと痛感。ここから道元について読みたいが、何か良いのないかなぁ?2014/10/04

佐井杜有

0
併録の「11ぴきのネコ」の副題は「子どもとその付添いのためのミュージカル」。このミュージカルを見終わったとき、付添いは苦い気持ちを味わうのだろう。見た子どもは違和感を覚えるのだろうか。その違和感をずっと忘れないでいてくれるといいな。2012/05/13

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