出版社内容情報
明治後期、北海道の山中で一匹の犬を相棒に狩猟に生きる男・熊爪。人里に馴染めず山を縄張りとする彼は、冬眠を逃し徘徊する凶暴な熊「穴持たず」に対峙する。穴待たずとの死闘、そして盲目の少女・陽子との運命的な出会い。獣と人間との境界を超えた理屈のない命の応酬の果て、熊爪が見たものとは。「生きる」とは何か、という問いに真っ向から挑んだ、圧巻の直木賞受賞作。(解説・角幡唯介)
【目次】
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
shinchan
31
河﨑さん、初読み作家さんでした。本屋さんの店頭で文庫本になった『ともぐい』発見❗️迷わず購入しました。170回直木賞作品ですね。舞台は明治時代の後半の北海道道東地域。かなり重み十分な文章は河﨑さん独特なものなのでしょうね〜 、、、、?結末はこうきたかっと言う印象でした 。迫力十分なお話ですよ。2026/08/06
mame
7
圧倒的な自然描写と熊との息詰まる攻防に引き込まれた。しかし、私の心に最も残ったのは熊爪の死生観だった。命を奪うのではなく「いただく」という感覚で生き、必要以上には求めず、いつか自らの生も自然へ返す。その循環を受け入れているからこそ、生にも死にも執着しない。『ともぐい』というタイトルもまた、生と死の均衡という本作の根底に流れる思想を象徴しているように感じた。「足るを知る」とは何か。その問いは、読み終えた今も静かに心に残り続けている。2026/08/06
へい
5
現代の都会人の感覚で言えば熊爪の生き様などは全く同意できないだろうけれど、熊と人間の住まいの中間点で暮らす人間の論理で言えば筋が通っていると思う。割とハードボイルドな感じもあり、面白く読むことができ、直木賞も納得の内容である。自然環境の説明などが説明調になりすぎず、ちゃんと物語に組み込まれて見事だと思う。熊爪に取っての幸せというのが、普通と言われる価値観とは違いすぎるために理解が得られない。これは過去の問題ではなく現代でもある問題であるし、紋切型に類型できない生き方をどうするかというのは今でも言えることだ2026/08/08
すのーまん
4
人間も自然の一部だったというのがよく分かる。自然と会話し溶け込み、生きるのに必要な分だけのものをもらうのが本来の姿だったのだな。「生き果たした」という最期も納得。2026/08/23
Hula
4
★★★★★ 直木賞(第170回 令和5年)2026/08/23




