出版社内容情報
蔦屋重三郎の店「耕書堂」に集う男たち。のちに十返舎一九に曲亭馬琴、東洲斎写楽、葛飾北斎となる彼らだが、今はまだ才能の開花を待つ、何者でもない若者たちだった。金はないけど、夢はある。元気もある。お上ににらまれているけれど怖いものなし! だが、偶然発見した「死体」から一波乱が巻き起こる。創作者たちの熱い魂が胸をすく痛快青春出版物語。『とんちき 耕書堂青春譜』改題。
内容説明
蔦屋重三郎の店「耕書堂」に集う男たち。のちに十返舎一九に曲亭馬琴、東洲斎写楽、葛飾北斎となる彼らだが、今はまだ才能の開花を待つ、何者でもない若者たちだった。金はないけど、夢はある。元気もある。お上ににらまれているけれど怖いものなし!だが、偶然発見した「死体」から一波乱が巻き起こる。創作者たちの熱い魂が胸をすく痛快青春出版物語。『とんちき 耕書堂青春譜』改題。
著者等紹介
矢野隆[ヤノタカシ]
1976(昭和51)年、福岡県生れ。2008(平成20)年「蛇衆綺談」で小説すばる新人賞、’22(令和4)年『琉球建国記』で日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。漫画、ゲームのノベライズ作品も執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のびすけ
20
蔦重の店「耕書堂」に集まる若き絵師、戯作者たち。大河ドラマ「べらぼう」でもこれから登場してくるであろう彼らが繰り広げる物語。軽めの読み心地で、楽しく読了。2025/02/27
coldsurgeon
7
面白時代小説だ。蔦谷重三郎が手鎖の仕置きを受けたのちの頃、その手元にいた職人たちの青春賦である。かれらは、のちの十返舎一九・葛飾北斎・曲亭馬琴・東洲斎写楽であった。戯作者絵師として、一角のものになろうと足掻く創作者のの物語と、長唄師匠の首つり事件を発端とする事件を追うミステリーが織りなす物語だった。山東京伝が語る「必死に努力しても、才がなければ面白いもの物は描けない。努力とは才があって初めて成り立つ。」興味深い言葉だ。2024/12/17
陽ちゃん
7
蔦重の話ではなく、彼が営む「耕書堂」に押しかける若者たちのお話。ただ、集っているメンバーが、若き日の東洲斎写楽や葛飾北斎、曲亭馬琴そして十辺舎一九、と豪華です。まだ自分が何者か分からず、もがく無名の彼らの奮闘を応援したくなりました。好奇心が旺盛すぎて、縊死した女性の死の真相を暴こうと、土足で他人の心情を荒らしてしまったのはいただけませんが。2024/10/25
hisayparrish
0
蔦屋重三郎の耕書堂に集まる若き日の戯作者、絵師、狂歌師の物語。十返舎一九、曲亭馬琴、東洲斎写楽、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝らが名を連ねるが、縦軸に鉄蔵(後の北斎)の住む長屋の隣の部屋から長唄の師匠の首括り死体が出てきた謎解きも入るミステリー味も含まれている。蔦重はメインに描かれる訳ではないが、それぞれの登場人物が味があり、他の評伝と比べても、なかなか興味深く、面白かった。2024/12/20