新潮文庫<br> 土と兵隊・麦と兵隊

新潮文庫
土と兵隊・麦と兵隊

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101008011
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

上海事変後の杭州湾上陸作戦に一兵卒として従軍、人馬共にまさに泥まみれの決死の行軍の様と兵隊たちの心情を、弟への日記体の手紙の形に綴った「土と兵隊」。軍報道部員として徐州作戦従軍時に味わった、果しない麦畑の中での言語に絶する状況と、中国民衆や日本兵への敬意と愛情を、圧倒的な筆力で描き、120万部のベストセラーとなった「麦と兵隊」。「兵隊」をつぶさに記した名作2編。新潮文庫20世紀の100冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

14
『麦と兵隊』のみ読了。日中戦争への従軍記録。蚤だらけの寝床、いななく驢馬、軍人との会話、卑屈に笑う中国人、突然の戦闘、血にまみれる服、夥しい死体、そしてひたすら続く麦畑。戦地の日常が描かれていく。ラスト一行はとても印象的。2020/11/28

k.m.joe

11
ベストセラーでありながら戦争礼賛の書として批判もされたとか。現代だから素直に読めるかも。兵隊個人の意識、過酷な行軍、敵に対する思い・・・詳細な描写でぐいぐい伝わってくる。戦争について的確な描写が成されていれば、それは全て「反戦の書」になる。本書を読んで楽しい気持ちになるバカはいないはず。何かしら戦争について考えを巡らすだけの訴求力がある。2013/10/22

もっさん

7
戦争小説。作者は実際に戦地へ赴いた経験があるため、実に生々しい。どちらも日記形式で書かれている。戦争謳歌、肯定するような内容ではないが、否定するわけでもない。ただただ戦争の虚しさや非人道性を1人の兵隊の立場から訴えている。「私は眼を反らした。私は悪魔になっていなかった。私はそれを知り、深く安堵した。」2011/11/17

きつね

5
中野重治などが褒めたそうだが、今日では著者前書きに言葉が尽きる気がする。「今次事変勃発以来、洪水のごとく、戦争に関する多くの文章が発表されました。(…)感動的な言葉を以て綴られた、戦場における、血湧き肉踊る壮烈な武勇伝や、忠勇鬼神を哭かしむる美談や(…)次から次へと書かれ、(…)それらの中にあって、この、私の、面白くもなく、凡庸の言葉を以て列ね、地味で平板で退屈な従軍日記などは、正に恐縮汗顔の次第」2012/08/25

rinrinkimkim

3
途中(それも早い段階)で挫折。字が!字が小さい。ちっさすぎです。スカーレットの3分の1位の超小さい字。読書にならず。文字を追いかけることが出来ない。ところがこう言っては文章内容からいかがなものかと思いますが、実にイキイキとみずみずしい文章なんですよ。車が沼に落ちて引っ張り出すまでとか、蠅の表現とか。無声映画のよう。なのでもう少し字の大きな?電子版で?キチンと読みたいです。従軍しながらこれだけの文章を夜な夜な清書していたんでしょうか?きっとその辺も全部読めば見えてくると思うんです。これは宿題の1冊!2021/02/23

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