出版社内容情報
友の死…金塊を巡り春子にさらなる危機が!
旧陸軍の隠し金塊を追う者たちに狙われるようになった、大衆演劇の女優・春子。そんな春子の元を訪ねてきた親友・澄子が、春子の父の遺品を持ち去り姿を消した。
さらに、澄子が何者かに殺害される事件が起きてしまう。
春子は、澄子が父の遺品を盗んだことも、殺されてしまったことも、春子自身が巻き込まれている隠し金塊を巡る陰謀によるものではと思い、自責の念を感じていた。
そんなある日、一座の者が暴行され、春子に金塊の手がかりを持って指定の場所に来いという脅迫状が届いた。春子は指示に従うのか…!?
そして、澄子は一体誰に、何故殺されたのか。金塊、通称”女神”を巡る争いがますます激化する、大人気ヒストリカルサスペンス第2集!!
【編集担当からのおすすめ情報】
第1集から主人公・春子の親友が死ぬという、衝撃の展開をみせている本作。巨匠・小山ゆう初のサスペンス作品ですが、怒濤のストーリーテリングと手に汗握る演出はまさに小山節炸裂です。戦後という混乱の時代の水面下で陰謀が渦巻く中、主人公がいかに生き、戦うのか。1コマも見逃せない熱い展開を是非ご覧ください!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
16
旧陸軍の隠し金塊の在処を示す父の遺品を持つことで、梶と財前、二人から狙われる春子。暴力に毅然と立ち向かう春子だが、やがて物語は、隠し金塊の行方を巡ってトレジャーハンターの形相を呈してくるのだろうし、そうなって欲しいとも思う。なぜなら、巨大な勢力に屈しない主人公という構図であれば、前々作『雄飛』と変わらないからだ。父が遺したヒントを手掛かりに、敵を出し抜き、誰よりも早く金塊を探し当てる展開になることを期待する。2024/08/17
KDS
4
父の遺品を伯母から引き取った春子の元へ突然やってきた親友の澄子。久方ぶりに会った親友にも裏切られ、父の日記や写真などを奪われてしまう。しかしその澄子は二日後死体で発見される。激しく自責の念にかられる春子。澄子に春子の父の遺品を奪うよう命じたのは元陸軍大佐の梶。そして澄子を殺した男を雇う黒幕は、旧華族で元陸軍少将の財前であった。元陸軍の上層部の人間たちが狙う金塊の謎とは?まだその詳細も、在処すら知らない春子は、一座の仲間や刑事の菅原に秘密を打ち明け金塊の謎に真正面から立ち向かう事を誓うのだった。次巻に期待!2024/08/01
kadocks
2
ゾクゾクする展開。こんなにガンガン来るとは。物語の引きが凄い。単純だと思っていた物語がどんどん深くなっていく。主人公は良い意味でも悪い意味でも(悪い意味はあまりないのだが笑)あずみで、結局自分の意思で立ち上がるのがいい。パートナーになりそうな刑事も現れる。この男は欲望に負けないのがだろうか、結局そこなんだけど、わかっていても騙されちゃうんだよね。まあとにかく傑作の予感。2024/09/19