出版社内容情報
チョコレートの原料であるカカオは古代は貨幣であり、薬でもあった。そのカカオがチョコレートとして好まれるようになるまでを歴史的、博物学的に解明、ポスターなど美術資料を利用し、ヴィジュアルに編集。
ルイ14世の王妃マリア・テレサが語った「王とチョコレートは我がただ二つの情熱なり」という言葉は、17世紀にチョコレートがどのようなものであったか雄弁に物語るものです。マリア・テレサがスペインからルイ14世に嫁ぐときに、チョコレートコックを連れて来、ブルボン王朝の宮廷にはイタリア人、スペイン人、フランス人のチョコレートコックがいたことが知られています。 また、貴婦人のチョコレートパーティの様子を示すスペインの陶板画もあります。17?18世紀、チョコレートは王侯貴族の嗜好品でした。このチョコレートの原料は中米のメキシコ南部、グアテマラ、エルサルバドルなど、メソアメリカを原産地とするカカオで、それがスペイン人の新大陸征服後、スペインにもたらされ、ヨーロッパに広まっていったものです。 本書はそのチョコレートの歴史を絵画、収穫やパーティの様子を表わした土器や陶器、宣伝ポスター、包装紙などの美術資料を使い、お見せしようとするものです。やさしいチョコレートの作り方、珍しいチョコレートが入手できる店も紹介しております。
目次
チョコレート物語
カカオの歴史
カカオの考現学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
77
『あなたの知らないチョコレートの世界』を味わえます。チョコレートの歴史から手づくりチョコ(6段階あるテンパリングまでは書かれていませんが、市販チョコとテンパリングで楽しい作り方)などが紹介されていて全体的には面白く読みました。ただ、代替貨幣として使用されていた1520年頃のスペイン征服期のニカラグアにおいてウサギと等価なのがカカオ豆10個、奴隷と等価なのがカカオ豆100個と事実だろうが、何とも切なく感じる!2019/05/16
クサバナリスト
7
流し読み。2022/08/22
のんき
2
1996年2月刊。製菓会社に勤める実務家とマヤ学の研究者という二人による著作であるところが面白かった。カカオの実がなっているところって、何度見てもやっぱりユニークだと思う。2011/08/02
ととむ
1
カカオ豆の生え方が不気味だ2021/06/29
mogumogulily
1
おいしそー!と思って、表紙につられて図書館で借りてきた本。中身は、カカオの歴史と変遷についてがメイン。だけど全然がっかりすることなく読めました。チョコが好きだからこそ、その原料であるカカオのルーツを知るのはとても興味深かったです。2011/08/30