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出版社内容情報
TYPE-MOON武内崇氏の“推し”!
王弟、奇智彦(クシヒコ)尊殿下。王室の忌み子。弱小王族。足曲がり。サメの王子。
奇智彦は軍の式典で、帝国から祝いの品として送られてきたそれと対面する。
女奴隷、シニストラ。美しき獣。熊の巫女。おそるべき犯罪者。
意志とちからはここに出会い、王国をあらたな争乱が包み込む。
兄が、死んだ。王が、死んだ。ならば――次の王は、誰だ?
奇智湧くがごとく、血煙まとうスペクタクル宮廷陰謀劇!
内容説明
王弟、奇智彦尊殿下。王室の忌み子。弱小王族。足曲がり。サメの王子。奇智彦は軍の式典で、帝国から祝いの品として送られてきたそれと対面する。女奴隷、シニストラ。美しき獣。熊の巫女。おそるべき犯罪者。意志とちからはここに出会い、王国をあらたな争乱が包み込む。兄が、死んだ。王が、死んだ。ならば―次の王は、誰だ?奇智湧くがごとく、血煙まとうスペクタクル宮廷陰謀劇!ガガガ文庫新人賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
36
軍の式典で帝国の献上品の女奴隷・荒良女と運命的な出会いを果たした王弟・奇智彦。王室の忌み子、足曲がりと呼ばれる彼が、激動の展開に巻き込まれてゆく宮廷陰謀劇。熊の巫女であり美しき獣を体現する荒良女を庇護民とし、自由奔放な彼女に振り回される日々を送っていた奇智彦が直面する想定していなかった事態。決め手を欠き様々な思惑が入り乱れる中で、決して盤石ではない自らがいかに立ち回るべきか。一筋縄ではいかない魅力的なヒロインたちも動かしながら、二転三転する流れの中で目指していた結末を手繰り寄せた悪辣さが際立っていました。2023/07/18
しおり
18
半身不随の王弟が兄王の急死を受けて少ない手勢で繰り広げる命がけの宮廷頭脳戦。こういうのが読みたいんですよ‼️歴史ごった煮の世界観、バラバラな人物紹介でも説得力があり、シリアスとコメディの絶妙なバランスの元、読みやすくて面白い!下敷きというシェイクスピアの『リチャード三世』以外にも壬申の乱とか色々な要素が混ざっていそう…歴史好き的には「こんなたくさんの食べ合わせ悪そうな食材をごった煮にしてるのに、なんで味がまとまってて美味しいの!?バランス感覚ヤバっ!!」って感じです。2023/07/21
イシカミハサミ
13
明治の頃をイメージさせるような世界観。 独特のテンポと世界観でクセになる手触り。 終盤盛り上がっていくであろうところに、 どこにつながるかわからないシーンが挟まれていたり、 自分の読解力が信じられなくところも。 そういうところも含めて、 作者にどうしても書きたいものがあるような、 それが伝わってくるような作品で、 そういうのは好み。 こういう作者がより読者に伝える力を持っていくと よりすごい作品が生まれてきそうでそういうのも楽しみ。2023/11/12
TERU
13
足曲がりの王子・奇智彦と美しき熊の巫女・アラメが出会う時、王国を揺るがす争いの火蓋が切って落とされる。 兄が、死んだ。王が、死んだ。ならば――次の王は、誰だ? これはまた独特も独特。これは相当読み手の読解力が試されますが、かなり奥行き深い作品でした。 簡単に言うと宮廷陰謀劇。序盤は、王であり主人公の兄でもある人物が急死する所から始まり、そこに隠された真実そして、次代の王は誰になるのか...みたいな話。 まず何より世界観が凄く独特です。古代と近代が歪な形で融合したような世界。2023/08/04
Porco
11
人名など響きを含めて色々日本神話寄りなのに、ヨーロッパ的な世界観だが、舞台の「王国」は石の時代から突然20世紀に引き上げられたのだからしょうがない。黒船来訪というよりファーストコンタクトと言って良いほどに文化が乖離しているのだ。そのくせちゃんと神話的な要素を拾っているのがニクイ。荒良女が「熊」なのも、様々な宗教体系で神様の一人称が特徴的なところからきていそうだが、ただ熊が熊なのは荒良女の生まれ故郷ベルリンのシンボルが熊らしいので、そこからのようにも思える。 (1/3)2024/04/26