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出版社内容情報
醜い自分、気高き自分。その狭間で。
天文部という居場所を見つけ、変わっていく凪。
それを見てもどかしい思いを抱える羽汰は美術部の門を叩く。
だが、自分にとって美術が本当にやりたいことなのか。
自分にできることなんて、この世に一つでもあるのだろうか。
羽汰にはそれが分からない。
かつてなりたかった自分。いつしか失われてしまった自信。今の自分。
もうその距離は、どうしようもなく離れてしまって。
体の色が変わってしまう美術部部長。
とある劇に固執する二人の演劇部員。
そして、どこかへ消えゆく姫宮凪――。
羽汰に憑いたメガネウラは、羽汰の何の想いに引き寄せられたのか。
逃げて、逃げて、逃げたその先に答えなんてものがあるのだろうか。
理想と現実の狭間に揺れる、ヒトと虫の魂がおりなす、とある青春の物語。
内容説明
天文部という居場所を見つけ、変わっていく凪。それを見てもどかしく思う羽汰は美術部の門を叩く。かつてなりたかった自分。いつしか失われてしまった自信。今の自分。その距離はもう、どうしようもなく離れてしまって。体の色が変わってしまう美術部部長。とある劇に固執する二人の演劇部員。そして、どこかへ消えゆく姫宮凪―。羽汰に憑いたメガネウラは、羽汰の何の想いに引き寄せられたのか。逃げて、逃げて、逃げたその先に答えなんてあるのだろうか。理想と現実の狭間に揺れる、ヒトと虫の魂がおりなす、とある青春の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツバサ
14
思春期の心の揺らぎを虫の特性で表していて、良い青春物語だった。羽汰が様々な問題と関わっていき、自分の小ささに悩むが先生や凪、瀬川と受け止めてくれる人がいてくれたおかげで迷いながら生きていくのを選択出来て良かったです。素敵な締めくくりでした。2020/09/20
真白優樹
13
天文部で凪が徐々に変わり出し、美術部に再入部した羽汰が悩む中、虫に纏わる新たな事件が巻き起こる今巻。―――陰と陽、かつてと今。変化の狭間で何を選ぶ。 理想はいつも遠くて、だけど自分に出来る事は小さくて。徐々に進路を選ぶ大切な時期が迫ってくる中、羽汰と凪が事件を解決する中で悩み戸惑う巻であり、理想と現実の狭間で揺れ惑いながらそれでも逃げずに何かを心のままに選び取る、青春の疾走という言葉が似合いそうな程に痛烈で切ない巻である。果たして変化を求められる年に二人が選ぶ各々の道とは。 次巻も勿論楽しみである。2020/09/21
げんごろう
11
かつて思い描いていた自分と今の自分。 その狭間で葛藤する羽汰の心情が痛切に伝わってきましたし、彼の決断を素直に応援したいと思えました。 その歩幅は確かに狭いかもしれない。でも間違いなく未来へ続いているはず。彼と凪がこの先どんな変化を遂げたのか。いつか続編も読んでみたいです。2020/09/28
イシカミハサミ
10
完結巻。 いい成長曲線だった。 もう少し巻数があってもよかった。 震災というなかなか前向きに持っていきにくいテーマを、 昆虫の性質と掛け合わせて しっかり前を向いていく良作でした。2020/12/09
椎名
10
逃げることを繰り返してしまう中で、そんな自分を嫌悪し、だからこそチャンスがあっても飛び込めない、自分が嫌だからこそそのままの自分では進めない、それらをどうしていくか。どう足掻き続けていくか。卑屈な人間には理解できてしまう部分も多く、最後安易に幼馴染みとの恋愛で落ち着かなかったのが良かった。しかしやはり震災を描いてきてるのが良い。仙台には様々な感情があるので。2020/09/22