小学館文庫
お月さん

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  • サイズ 文庫判/ページ数 281p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784094086485
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

人生の味わいがぎっしりつまった短編集!

人生はどれも少しいびつで、どこか切ない――
単行本刊行時、女優の小泉今日子さんが、「この世の中では生き難そうな人達が、悲しくなるくらい儚く小さな夢を見ながら生きている。それでもいいから生きたいんだ! という切実な思いが伝わってくるから、ぎゅっと抱きしめてあげたくなるほどみんな愛おしい」(読売新聞/2007年5月6日付朝刊)と評してくださいました。
大柄で何をするのもまだるっこい同僚と、一度だけ食べたランチを懐かしむ表題作「お月さん」を始め、貧しくて不器量な幼なじみが同級生にいじめられる「金平糖のダンス」、十八年も前に自分を捨てた男の葬式に出向く「葬式まんじゅう」、隣に越してきた女性に、死んだ子どもの生まれ変わりだと告げられる「キツネノカミソリ」、路地に現れる幽霊に、別れた妻への未練たっぷりの生活を語る「デンデンムシと桜の日」、生前何か月も失踪し、ひょっこり家に戻ってきた亡き父を回想する「三月うさぎ」など、新人ながらおそろしく味の深い小説ばかりが並んでいます。
日本とアメリカ、二つの国を行き来してきた著者の感性が描き出す、ちょっとずれてしまった切ない人生の数々を、ぜひご賞味あれ!

【著者紹介】
小説家。大阪府生まれ。米国ニューヨーク市在住。上智大学外国語学部卒業後、イェール大学大学院、コロンビア大学大学院で学ぶ。国連インターン、ワシントンの報道機関勤務を経て、ジャーナリスト・翻訳家として活躍。

内容説明

人生はどれも少しいびつで、どこか切ない―。大柄で何をするのもまだるっこかった同僚を懐かしむ「お月さん」、貧しくて不器量な幼馴染みが同級生にいじめられる「金平糖のダンス」、隣家に越してきた女が、あなたは死んだ子の生まれ変わりだと告げてくる「キツネノカミソリ」、十八年も前に自分を捨てた男の葬式に出向く「葬式まんじゅう」など、幸運をどこかで落としてしまったような人々ばかりが登場する不思議な味わいの小説が詰まっています。

著者等紹介

桐江キミコ[キリエキミコ]
大阪府生まれ。上智大学外国語学部卒業後、イエール大学大学院、コロンビア大学大学院で学ぶ。国連インターンを経て、ワシントン、及び東京の報道機関で勤務の後、翻訳家としても活躍。現在は、ニューヨーク市在住。執筆と翻訳の生活を送る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

沙耶

15
初読み作家でした!表紙からすると最後には癒される感じかなって思ってたんだけど、そんなことなくて、みんなつらい事あるけど頑張ってて、すごく現実感があり過ぎてちょっとつらい感じかな。私が1番共感したのは「金平糖ダンス」「お月さん」かな。誰でも経験することだと思うし、思い込みって言うのもあるかも。「金平糖ダンス」ではちょっと泣きそうになっちゃったし。どの話も日常的にありそうな話でした。2016/11/05

さく

3
「桜子さんのおかげで、月は悲しく見えるようになった。」じゃあそれまでこの女性はどんな風に月を見ていたんだろう。悲しく見えない月を私は知らない。2016/02/19

サラ.K

2
味わいのある小説だったなあ。昭和の香りがしていて、ひとクセある人々がのほほんと登場する。表紙が可愛らしいので、ほのぼの系かと思うとこれが裏切られる!淡々と人が暮らしていく。その営みは、ときにはっとするほど残酷だ。それでも生きていく、淡々と、たくさんの人々が。2012/03/05

わかめ

1
全体的に、もの悲しさが漂ってます。ふわふわしてるのにどこかシビアで鋭い。もっともっと、これからは長編も読みたいです。2011/10/29

uma-taro

0
『帯:付かないもの、人生の取りかえしと、人生の折り合い。 いびつで切なくも愛おしい人々ばかりを描いた傑作短編集!』 12編からなる短編集。2015/08/13

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