小学館文庫<br> スリー・アゲーツ〈上〉―二つの家族

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小学館文庫
スリー・アゲーツ〈上〉―二つの家族

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  • サイズ 文庫判/ページ数 407p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094064315
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

米国国防総省VS北朝鮮工作員

北朝鮮工作員が命がけで守ろうとしたもの、それは――。

旧防衛庁出身作家の渾身作にして、第3回大藪春彦賞を受賞した大傑作エンターテインメント、手に汗にぎる上巻!!

きわめて精巧に作られた偽造紙幣”スーパーK”の運び屋と目される北朝鮮工作員が、秘密裏に日本に入国した。
来日前、ソウルで激しい銃撃戦を起こした工作員・チョンは、現場に文書を残していた。
米国国防総省(ペンタゴン)直轄の情報機関に所属するアナリスト・葉山隆に与えられたのは、”チョン文書”の解読と、日本でチョンが潜伏する場所の手がかりを探ることだった。
上司・エディからの命令に、しぶしぶ調査を進めていた葉山は、チョンと深い縁があると思われる日本人女性とその息子の存在に行きあたる。

同じ頃、在日米軍横須賀基地にある海軍調査局(NISC)に勤める坂下冬樹のもとに、岩国駐留の米兵が偽ドル札をつかまされたという情報が入る。
ストリップ劇場や米兵の集まるクラブに現れた東洋人が両替を持ちかけたものらしい。
偽ドル札は、従来水準をはるかに超える優れた代物で、大量に出回れば深刻な問題に発展することが予想された。

同時期、北朝鮮では対外情報調査部に勤める夫を持つ女性・李光朱と、その娘・春花が、長期帰郷の名目で平壌(ピョンヤン)から北へ向かっていた。
二人は白頭山(ペクトウサン)を望む山あいの町・茂山(ムサン)にたどり着く。
十月十日の朝鮮労働党創立記念日、二人は中朝国境を越える準備をしていた。

内容説明

偽造紙幣“スーパーK”の運び屋と目される北朝鮮工作員が日本に入国した。来日前、ソウルで激しい銃撃戦を起こした工作員・チョンは、現場にメモを残していた。米国国防総省直轄の情報機関に所属する葉山隆に与えられた任務は、その文書の解読と、日本での潜伏先を探ることだった。上司・エディからの命令にしぶしぶ調査を進めていた葉山は、やがてある日本人女性とその息子の存在に行きあたる。同時期、北朝鮮では対外情報調査部に勤める夫を持つ女性・李光朱と、その娘・春花が、平壌から北へ向かっていた。二人は白頭山を望む国境の町・茂山にたどり着いた。第三回大藪春彦賞受賞作。

著者等紹介

五條瑛[ゴジョウアキラ]
大学卒業後、防衛庁に入庁、情報・調査専門職を務める。退職後はフリーライターを経て、1999年に『プラチナ・ビーズ』で作家デビュー。2001年に、『スリー・アゲーツ』で第3回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kei302

53
えーーー!! ひどい、ここで次巻に続くなんて、胸が張り裂けそうです。新装版は上下2巻。鉱物シリーズ第2弾、なのにシリーズ第1作目が絶版だそうです。祖国を捨てるのが罪だと言うなら、どうかわたし一人を罰してください。持ち出した装飾品や金を娘の春花の胴巻きに巻き付けるシーンは深く重く心に響きます。2020/09/23

Rin

50
[再読]角川さんで復刊のため再読。やっぱり何度読んでも胸が熱くなる。アナリストの葉山やエディ、坂下もいるけれど。でもやっぱりチョンと彼の家族に目がいく。深い深すぎる家族への愛と信頼、互いが互いを想う強い気持ち。相手のためなら血を流すことも、苦境を歩むことも厭わない決意。朝鮮と日本の暮らしの違いを突きつけられる。ただ、家族と一緒に暮らしたいだけ、その望みはあまりにも遠くて。いまを大切にしなければと、自国をもっと知らなければと。いまの自分に言い聞かせたくなる。最後の母の強さに心の打たれながら下巻にいきます。2017/11/22

19
北の国は、ずっと変わらないのかしら?葉山さんは、少し変わったような。下巻に進みます。2021/07/04

彼岸花

9
最初はとっつきにくかったものの、後半からは一気読みでした。これは実話かと思うほどの臨場感がありました。さすがに現代は金正日政権ではありませんが、対日工作員の心の内がひしひしと伝わってきます。金賢姫の事件がふと頭に浮かびました。最終章は涙で下巻へ。 2018/08/29

nyangle

7
本屋でなんとなく目にとまった本。北朝鮮の工作員を米国の情報機関が追う話。舞台は日本。この文庫の刊行は2017年ですが、本作が書かれたのは2001年あたりらしいです。いま読んでも古さが感じられないのが驚き。スパイ小説的なスリリングな展開に、「二つの家族」のいきさつが絡み合っていて、なかなかの読み応え。二つの家族の苦難を予感しつつ、下巻へ。さて、どうなることやら。wktk2018/01/07

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