小学館文庫<br> 未だ王化に染はず

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小学館文庫
未だ王化に染はず

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  • サイズ 文庫判/ページ数 493p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784094061741
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

覆面作家として発表した幻の小説を初文庫化

<ぼくは今、学説を覆すに足る新事実を発見しようとしています。村人は語りませんが、蝦夷からアイヌ民族の出現に至るまでの空白期間を埋める幻の狩猟民族の末裔が、暗火岳に生きているのです。その所在を確かめるために明日暗火岳に向かうつもりです>
友人の私にこのような葉書を送って北海道・知床半島で消息を絶った鴫沢澄夫。大学で考古学を専攻する私は、彼が主宰する北方の狩猟文化をテーマとした研究会にも顔を出していた。姿を消した鴫沢を追って、私は彼に心を寄せていた女性、奈美とともに、北海道に渡る前に出かけていたという新潟の山村へと旅立つ。その地は研究会にも参加していた考古学の権威、環教授がかつて調査に赴いた場所であり、そこで私は鴫沢と環教授の不思議な連関に気づくのだった。

【編集担当からのおすすめ情報】
石川啄木をモチーフにした小説「北帰行」で、東大在学中に本名の「外岡秀俊」で文藝賞を受賞した著者が、朝日新聞の記者であった1986年に「中原清一郎」名義で10年ぶりに発表した幻の第2作を初文庫化しました。古本市場でもかなり高額な価格で取引されていた名作がいまよみがえります。解説は書評家の三橋曉さんです。

内容説明

幻の狩猟民族の末裔を探索して北海道・知床半島で消息を絶った鴫沢澄夫。大学で考古学を専攻する私は、友人である鴫沢が主宰する北方の狩猟文化をテーマとした研究会にも顔を出していた。姿を消した鴫沢を追って、私は彼に心を寄せていた女性、奈美とともに、北海道に渡る前に出かけていたという新潟と山形の県境の山村へと旅立つ。その地は研究会にも参加していた考古学の権威、環教授がかつて調査に赴いた場所であり、そこで私は鴫沢と環教授の不思議な連環に気づくのだった。人間の存在の根源を問う凄絶なる歴史ミステリの傑作を二十九年の時を経て初文庫化。

著者等紹介

中原清一郎[ナカハラセイイチロウ]
1953年、北海道生まれ。76年、東京大学在学中に本名の「外岡秀俊」名義で執筆した「北帰行」で第十三回文藝賞を受賞、ベストセラーとなる。その後、朝日新聞社に入社、ニューヨーク特派員、ヨーロッパ総局長、東京本社編集局長、香港駐在編集委員を経て、2011年退社。14年、二十八年ぶりの新作「カノン」を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころころむし

2
昨年『カノン』、そして今年『ドラゴン・オプション』を読み、1986年に刊行された『未だ王化に染はず』の文庫化に出会い、スケールが大きすぎて私なんかの手に負えないのかと不安になった。一冊にするのはもったいないほどの濃厚さだが決して難しいから読むのをやめてしまおうとは思わなかった。むしろ山に登るように一歩一歩前へ進むような読書だった。2015/06/13

satooko

1
品切れになっていて図書館で借りる。カノンよりずっと以前の作品。またガラッと違うテーマ。2022/03/04

K子

1
★3。北海道出身作家。本名でのデビュー作『北帰行』が名作すぎて期待値が大きくなり過ぎたか。エンタメ、あるいは純文学としても、小説としての面白さがもう少しでした。考古学ネタも本格的な超大作ではあるのですが。冒頭がやや退屈で入り込みにくかった。また、途中の主人公の行動で、犬のくだりと、古本屋でパクるところが理解できなかった。あと、女性キャラがややワンパターンかなと思ってしまいました。2016/09/22

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