内容説明
横浜の外れに佇む寂れた建物、WMUA・NITTOH美術館。ここに勤める怠惰な学芸員・鷹栖晶には、もうひとつの顔があった。それは、存在証明不可能生命体―通称・悪魔を視認できる唯一の人間であること。そのため晶は、エジプトで事故死した親友・音井遊江の肉体に憑依した謎の悪魔と不本意ながらコンビを組み、他の悪魔と交渉して彼らにまつわる事件を解決する任務を負っていた。ある日、美術館に持ち込まれた謎の壺の調査を続けるうち、晶と遊江は、『F機関』を巡る陰謀に巻き込まれる―。
著者等紹介
栗原ちひろ[クリハラチヒロ]
11月29日生まれ、東京出身。第3回角川ビーンズ小説大賞で優秀賞を受賞しデビュー。角川ビーンズ文庫を中心に、主に若年層向けハイファンタジーを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スズ
89
表では寂れた美術館の学芸員、裏では悪魔が関わる事件の解決を行う「WMUA」の職員として、パートナーである親友の遺体に憑依した悪魔と共に様々な事件に挑む鷹栖晶は、突如組織に持ち込まれた壺の中で眠り続ける男の謎に挑む事になるが……。眠る男の謎に迫る内に、「F機関」と名乗る謎の組織の襲撃を受ける晶でしたが、パートナーである音井の能力で何度も窮地を切り抜けていくのが良かった。親友の体で我が儘に過ごす音井に苛立ちを感じつつも、彼を見捨てず、音井も晶を見捨てない関係が良かった。悪魔達の能力が規格外で驚きました。2017/02/25
ダージリン
35
期待にたがわず、好みの話でした!主人公の晶は唯一、悪魔を視認できる人間で、それなのに心優しさとしたたかさを兼ね備えていて魅力的♪ そんな晶に執着している悪魔との会話が漫才めいていて、晶を好き過ぎるところも気に入ってます(笑)。ヒロイン未満の森木にもがんばってほしい。オカルト設定もいい感じなので、次も楽しみです!2014/06/24
瀧ながれ
23
西洋のものである「悪魔」の物語なのに、舞台は日本で主人公も漢字の名前の日本人、という設定の魅力ににやにやしながら読んでたら、中盤で、これが日本の物語でなければならなかった展開に入って、なおおもしろくなりました。悪魔ナベリウスかわいい、いやものすごく物騒な存在だけど、いとおしい、よかったね、と思いました。2014/06/29
つたもみじ
19
初読み作家さん。個性のあるキャラクター沢山で面白いけど、情報量過多で少々とっ散らかった感じ。(1)だし、人物設定諸々紹介巻なのかなあ。5年前、エジプトで起きた事件が元で悪魔(存在証明不可能生命体)の姿を視認し、交渉する事が出来るようになった唯一無二の人間・鷹栖晶と、同じく事故で死んだ親友・音井遊江の肉体に憑依した悪魔とのコンビ。殺伐としてたけど最後には少し打ち解けている感がしなくもない…掛け合いは面白かった。2014/07/19
にゃんこ
18
とある美術館の学芸員:鷹栖晶。 彼の持つ、この世で唯一の力をめぐる物語。 正直、ちょっと「バーティミアス」っぽいな〜っていう感はいなめない箇所もチラチラ…だけど、全体的には面白かったです♪ 登場するキャラが全員、濃い濃い‼︎ それだけとっても、面白い(^-^) 副題が、『 1.ファウスト機関』となってるから… 続編があるって、期待してます(^-^)2014/10/28