出版社内容情報
豊かな自然が人間を育てた。少年時代からふるさと篠山の野山で遊び、生き物たちに親しんだ世界的動物学者が綴る自然交遊記。自然の美しさ、いのちの不思議さなど、数々の思い出が感動とユーモアいっぱいの物語に。また、四季折々の日本の森の美しさ、楽しさ、不思議さを愛する著者が、森に生きる動物たち、樹木、草花に想いを寄せて綴った俳句のない歳時記ともいうべきエッセイ集『森の歳時記』を併録。
内容説明
四季の草花を愛し、里山の生き物と遊ぶ。達人学者の自然堪能記。
目次
小さな博物誌(腕白坊主のフィールドノート;動物学者の事件簿)
森の歳時記(春(雑木林の中のエル・ドラド―フクジュソウ;アスナロと子猿の四月―ニホンザル ほか)
夏(沼の魔性を吸う―ジュンサイとフトイ;朝空に舞う青い妖精―ジョウザンミドリシジミ ほか)
秋(邯鄲と夢の響き―カンタン;昼と夜のあわいの刻を告げる―ヒグラシ ほか)
冬(雑木林のメルヒェン―シメとメジロ;枯木立の中の緑の灯―ヤドリギ ほか))
著者等紹介
河合雅雄[カワイマサオ]
1924年、兵庫県生まれ。京都大学理学部動物学科卒業、理学博士。京都大学霊長類研究所教授、日本モンキーセンター所長、兵庫県立人と自然の博物館館長などを歴任。京都大学名誉教授。朝日賞、毎日出版文化賞、日本学士院エジンバラ公賞など受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
asamitu
0
長野の遊歴書房にて購入。やっぱり自然と動物を愛する人の文章は美しいと改めて実感。ウガンダの森の中で沢山の蝶に出会う場面はメルヘンのよう。雌熊がほかに恐れる者なくただただ食べて眠る、王者ならではの悠々たる姿。表紙も秋めいてきたこの季節にピッタリ!歳時記の部分は秋の章だけ読了。2015/09/13
yamakujira
0
幼少期の体験って大切なんだな、と思わせてくれる。動植物へのあたたかな視線が心地よいエッセイ。野原で寝転がって読みたくなるような本だ。 (★★★☆☆)
k_samukawa
0
『少年動物誌』の続編。やはり文章が格別に素晴らしい。これが絶版なんて世知辛いなぁ。2012/01/27
たけし
0
少年動物誌の作者による作品。「博物誌」とある通り、動物誌より題材がやや幅広い。昭和初期の篠山を舞台に少年の目線で描かれており、詳細な自然の描写は相変わらず素晴らしく、その場で一緒に体験しているかのように里山の様子を思い描くことができる。 映画「森の学校」は少年動物誌が原作になっているが、この本のエピソードもいくつか取り上げられている。2021/05/24