消された「徳川近代」明治日本の欺瞞

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093886529
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C0095

出版社内容情報

大隈重信によって「明治政府の近代化政策は、小栗忠順の模倣にすぎない」とまで称された逸材・小栗上野介。横須賀に製鉄所、築地に日本で最初の本格的なホテルを建造した小栗の歩みを照射する。

内容説明

明治日本とは「徳川近代」の模倣に過ぎなかった!その事実を新政府は、土中深く埋め去った。「徳川近代」があと十年続いていれば、日本に国粋主義軍国国家は生まれなかった!「明治維新の過ち」三部作著者が放つ新章第一弾!

目次

序章 徳川近代という時代の存在
波涛の章 咸臨丸と小野友五郎(咸臨丸と勝海舟;無能を露呈した「海軍の祖」勝海舟 ほか)
青雲の章 自由貿易推進派岩瀬忠震の奮闘(旗本養子と部屋住み大名;詩作書見の日々 ほか)
怒濤の章 徳川近代の柱・小栗上野介忠順(岩瀬忠震から小栗忠順へ;誇り高き安祥譜代 ほか)
終章 徳川近代の群像―奮闘幕府歩兵隊(歩兵と小銃;江戸脱出、流浪の伝習隊北へ)

著者等紹介

原田伊織[ハラダイオリ]
作家。京都市生まれ。大阪外国語大学卒。広告代理店でマーケティング・プランニングや番組企画などに携わる。2005年『夏が逝く瞬間』(河出書房新社)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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りー

28
「明治近代」は実は幕末の幕府能吏たちの活躍を根こそぎ新政府が横取りしたものだ、という視点で書かれた本。主に、小野友五郎、岩瀬忠震、小栗忠順を取り上げています。私の好きな勝さんは、この本だとロクデナシ印をペケっと貼られています。でも、こちら側視点の本をもっと読んでいかないとなぁと思いました。小野友五郎が主人公の「天を測る」のように、幕末テクノクラートに焦点を当てた面白い小説がもっと出てきて、司馬史観が崩れたら良い。特に岩瀬忠震の立場から見ると、薩長のテロリストっぷりが凄かったです。2021/12/29

スプリント

12
維新政府により不当に評価を貶められた幕府のテクノクラートたちの功績を解説した本です。司馬遼太郎文学の功罪についても触れています。2019/05/19

乱読家 護る会支持!

7
アンチ薩長史観の論客である原田伊織氏の本。「徳川近代」を、直参旗本小栗上野介忠順、笠間藩士上がりの小野友五郎、直参岩瀬忠震を軸にして書かれたもの。ペリーと幕臣との会議録の箇所では、武家としての覚悟が感じられ、理路整然と国家のあり方を説く幕臣はかっこよかったです。 著者の言われる新政府による歴史の書き換えがどこまで真実かはわからないけど、250年間戦争も無く、内乱も少なく、自給自足で国を維持してきた江戸時代は評価に値するし、その時代に培われてきた武士の精神性は高かったのでしょうね。2019/08/15

renren

6
筆者の主張のうち「薩長は悪であり、『維新』がなければ有能な徳川官僚による近代化が進みもっといい国になってた」みたいな部分はかなり疑問なのだが(藩や身分の緩やかな解体などあり得たのか等)、幕府のテクノクラートたちの功績が不当に貶められていたこともまた事実と思う。小栗上野介の無実の罪を問われだまし討ちに合うような死に様はショックだった。幕末~明治は公正な能吏であるほど過労や不当な迫害で痛ましい死を遂げるような印象がある。もっと学びたい。2021/04/05

inaryoXD11

2
この本で原田氏のいわゆる明治維新の真実に触れるのは3冊目。「徳川近代」は今に直結する江戸末期に現れた近代化であり、薩長の官軍教育では現れない解明的な幕臣たちにより作られた。それにしても、勝海舟のひどさには恐れ入る。人そのものもそうだが、薩長による歴史改ざん。それよりも、小野友五郎、岩瀬忠震、小栗忠順らの活躍に触れることで、彼らがいてくれてよかったと安心できる。最後は幕府歩兵隊の解説で締めているが、これこそが徳川近代の存在を語っているとのこと。このへんはもう少し氏の説を読んで理解したいところ。2020/10/30

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