出版社内容情報
人気急上昇中の市川拓司、待望の新作!
小さなアクアショップを営む「ぼく」のもとに、一人の美しい女性がアルバイトにやってくる。やがて二人の間にあった不思議な縁が、ぼくの人生を動かし始める。市川拓司テイストたっぷりのファンタジックな青春小説。
内容説明
「ねえ、帰り道が分からなくて泣いているんでしょ?」「この先が、あなたの帰る場所よ。ひとりで行ける?」「さよなら。もう、ここに戻って来ちゃ駄目よ」ぼくらはばらばらではなく、みんな繋がっている。誰もが誰かと誰かの触媒であり、世の中は様々な化学反応に満ちている。それがきっと生きているってことなんだと思う。それは、磁力や重力なんかよりもはるかに強い力だ。それさえあれば、あの空の向こうにいる誰かとだって私たちは結びつくことができる。小さな人生の大きな幸福の物語。
著者等紹介
市川拓司[イチカワタクジ]
1962年、東京都生まれ。独協大学卒業。2002年1月、『Separation』でデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おつまみ
89
すごく印象に残っているラブストーリーであり、恋愛小説である。再び出会う二人の印象が強すぎる。終盤での再会はすごく良かったし、離れているけど、それだけ結びついている二人には仲良く暮らして欲しいと思った。大学時代に読んだけど、今読んでも印象に残る作品となっている。市川さんらしい、ある意味で閉じた世界の物語なんだけど、それが自分の世界観にある程度合致していることで、ますます印象がよくなっていく。いまあいとは違った物語である。2021/05/30
ひめか*
39
佑司、智史、花梨、犬のトラッシュ、14歳の時子供たちだけの場所で遊んでいたあの頃の記憶。3人はどんな時も一緒だった。それから15年経った今、智史は花梨と思わぬ形で再会を果たす。それぞれ幼い頃の夢を叶えていたね。後半は一気にファンタジーに。夢の世界に行って眠り続ける佑司を助けるために、花梨はまた出ていってしまうけど、私はまた彼女が戻ってきてくれることを信じていた。3人は”強い結びつき”で繋がっている。だからこそ、音信不通でも15年経っても会えたんだ。夏目と美咲もそう。懐かしくて不思議な気持ちになるいい話。2017/06/08
アイシャ
37
13歳の時に出会った友情、初恋、それが永遠になる。その時の経験以上に心躍るものは他になかった。そんな二人の少年と一人の少女の物語。主人公の智史、本当にこういう人がいるのなら私も憧れる。花梨曰く、全然孤立することを恐れず、人と同じようにしようなんて気がまったくなく、自分だけを信じて、少しもゆるぐことがない。それでいて肩に力が入ってない、自然体。水辺の植物や生物が好きで、それを仕事にした智史。作者の美しい言葉に彩られる、輝きの薄れない初恋。眠り姫の花梨をいつまでも待つ主人公。美しい物語だった。2022/12/28
あみやけ
32
正直なところ、テーマも内容もあまりわかりませんでした😅なんと書けばいいやら。★32022/10/15
mazda
30
独特の表現力で、引き込まれる感じだった。長いときを経て、3人が再会する様子がうまく描かれており、気がついたら一気読みしていた。2013/06/18
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