出版社内容情報
朝鮮戦争に「参戦」した日本人たちの真実
1950年6月に北朝鮮による韓国への侵攻で勃発した朝鮮戦争――北朝鮮軍が敷設した機雷を除去するため、朝鮮半島沖に出動した日本人がいた。当時、海上保安庁に所属の「日本特別掃海隊」。旧海軍軍人を中心とする約1200人の掃海隊員によって掃海作業は進められ、47隻の船舶が出港した。
戦時下にある朝鮮水域での掃海作業は戦闘行為に当たり、日本が掃海部隊を派遣することは憲法に抵触する。しかし、主権回復前であった日本としては、米国の要請を断ることは難しい――そうした背景のもと掃海隊は時の首相、吉田茂によって、いわば隠密に組織された「秘密の部隊」だった。
掃海作業では、掃海艇の一隻が機雷に接触して沈没、死者1人、18人が負傷。しかし、そうした被害にもかかわらず、日本特別掃海隊の存在は長らく秘され、派遣された隊員たちの「生の声」はなかなか表に出ることはなかった。
朝鮮戦争の休戦協定が締結されてから60年の節目となった今年。著者は、高齢者となった元隊員の生の声をできるだけ多く掬うなかで、自分たちに課せられた任務を誠実に遂行しようとする責任感に溢れた姿と、仲間同士の固い絆を発見していく。
内容説明
半世紀前、朝鮮戦争に「参戦」した日本特別掃海隊の語られざる航跡を辿る。第二〇回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞。
目次
第1章 米国の誤算で
第2章 見切り発車
第3章 機雷の海へ
第4章 日本艇轟沈す
第5章 苦闘は続く
第6章 沈黙の英雄
著者等紹介
城内康伸[シロウチヤスノブ]
1962年、京都市生まれ。早稲田大学法学部卒。87年、中日新聞入社。東京新聞(中日新聞東京本社)社会部で警視庁、警察庁を担当。ソウル支局長、北京特派員などを経て、再びソウル支局長に。2011年11月帰国。現在外報部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ばなな
風が造る景色
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konaka