出版社内容情報
三遊亭 圓生[サンユウテイ エンショウ]
著・文・その他
目次
人情浮世床(乞食になっても;わが身に合った工夫を ほか)
寄席こしかた(寄席の今昔;落語の歴史 ほか)
風狂の芸人たち(奇人・円盛のこと;名人・円喬のこと ほか)
本物の味(一年の計;今の世の中 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
128
タイトルからしてね、よござんすね。あたくしは、ってえのから始まる文章はたまんない。時に説教くささが先に出て、「あたくしに言わせれば」なんて言い出すところだけは勘弁ですけども。乞食になったって、道で大道芸人のように噺しますよ、それでもお代を頂けるくらいの話はしますよ、って、こんなことはそうそう言えるもんじゃない。この方、菊五郎と吉右衛門(前のね)さんが本当に好きなのね。色んなところに、はさんでくる。落語ブームにのっかってる若い噺家さんに何より読んでもらいたい1冊。2018/10/01
fwhd8325
68
時代が変わっても変わらないもの、変わってはいけないものを教えてくれるようです。テレビやラジオですが、思いますぎりぎり生の圓生さんを聴いていますが、その語りがよみがえってくるようです。語り口に色気がある噺家さんでした。その後、こんな名人現れません。返す返すもあの騒動がなければと思ってしまいます。2021/03/04
p31xxx
11
6歳そこらから芸人となり、50代では満州で敗戦を経験した落語の大名人晩年のエッセイ。明治時代は名人が颯爽と乗る人力車の幌をわざとかけないのが洒落てたとか、帰国後の収容所で焼け出された家族からの手紙を見つけ出したのが忘れられないとか、戦後の録音も聞き知っていると、時代感覚がおかしくなる。古典的な老人像そのものの語りが逆に新鮮だが、劇的に変わった前後の時代を比べるに、懐かしむ気持ちがあろうか、現代人には想像し得ないところがある。芸風の違う名人だった志ん生を悼むシーンは、ライバルを失った寂しさが印象的だった。2021/05/29
ぜっとん
5
内容も好きなのだけれど、語り口で面白くまたイヤミなく読むことができる。言葉遣いやものごしというのは大切なものですね。2016/06/03
こんぶ
5
近道はない。地道にコツコツと。2015/10/13