出版社内容情報
熱烈な昆虫少年だった手塚治虫16歳のときに、手書きでつくった未発表作品を復刻。ペンで描いた昆虫図鑑、社会を綴ったエッセイ、さらに二つの漫画も掲載。
漫画の神様として数々の名作を残してくれた手塚治虫さん。実は、ペンネームに虫の一字をつけるほど熱烈な昆虫少年でもありました。 その手塚さんが、16歳のときに手書きで作った未発表作品「昆虫つれづれ草」を復刻出版しました。といっても月刊「ラピタ」誌上で昨年11月号まで連載していたものです。ただ戦時中の作品ですから、旧漢字旧仮名なのはいうまでもありません。そこで単行本化にあたっては現代仮名遣いに直し、より多くの方に親しんでもらえるようにしました。中学生の手塚さんが、朱色を出すためには自らの血を使うなど、ひとつひとつペンでていねいに描いた昆虫図鑑、戦時下の人間社会に対するさまざまな思いを綴ったエッセイ、さらに自らの少年時代をモチーフにした「ゼフィルス」、昆虫を素材にした「インセクター」の2つのコミック作品も掲載しました。その信じられないほど、まばゆく豊かな才能と感性には、たとえ虫に関心のない方でも、きっと感動されることでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
亮さん
12
手塚治虫の若かりし頃の昆虫採集について。うん、とても興味深い。昆虫採集に必要な知識がかかれており、手塚少年が遭遇したある逃避兵の愛人の女性のやりとりも面白い。黒アリと赤蟻に例えた青少年たちの未来への訴え方も面白かつた。2017/06/11
のんき
2
手塚治虫が旧制中学時代に手作りで作製した昆虫を巡る本を再構成復刻したもの+昆虫採集をモチーフとした短篇漫画二篇、当時の友人へのインタビューによって構成された虫づくしの一冊。大好きなことを書く喜びに溢れ、その情熱からは少年のエロスさえ漂ってくるよう。豊かでみずみずしい世界にひきこまれた。2009/10/02
トムトム
1
天才は子供のころから天才。絵が上手いのは知っていたけれど、文章もしっかりしている。手塚先生、すごすぎる2019/08/06
issyi
0
中学生の男の子がコレ書いたの?!? さすが!!……とウナルしか無い。 2016/06/22
サイレン
0
手塚治虫が旧制中学時代に昆虫について書いた文章を集めたもの。デビュー前に書いた私家本の復刻である為か、作者名が「手塚」ではなく「手塚」になっている。2015/06/14