感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くるぶしふくらはぎ
18
写真を眺めているだけでも十分堪能できるけど、解説には建築物に対する造詣の深さと愛情があふれ、読んでいて心が癒されてしまいます。中には、癒されない現実をぶつけられることもあり、建築物好きには心の痛い喪失感もありますが。2025/03/15
ソバージュ
14
図書館本。1920年代の建築物を中心に、設計の意図や時代背景、地域での役割などが紹介される。昭和初期頃までに建設された学校や病院、ホテル、百貨店など和洋折衷の重厚な外観と細かな装飾に心引かれるのは年齢のせいだろうか。特にアールデコ様式の旧大丸心斎橋店は、内装もイスラム美術をふんだんに採り入れた見事できらびやかな物であり心震えるが、文化財未指定のまま取り壊されたという。何と惜しいことか!2023/04/22
hitotak
11
大正末期から戦前に建てられた名モダン建築の数々を、テーマ(建築家、様式、用途等)別に東京圏・京阪神圏から1棟ずつ比較紹介。写真に添えた文章は2名の筆者によるものだが、特に北夙川氏のほうの文章に、名建築の保存に理解のない京阪神圏の行政や企業への憤り、建物への強い思い入れがひしひしと伝わってくる。更に地域の歴史や経済、住民の気質など、建物以外の背景についての説明にも筆が及び、「関西連邦共和国と東京帝国」なるコラムなどは筆者のこじらせた関西愛が見て取れて興味深い。紹介された建物はどれも美しく、意匠も素晴らしい。2024/04/28
らっそ
10
大丸心斎橋店改装の怒りを訴えるために、著者はこの本を書かれたのでは?と思えるほど、最初のコラムの熱量が高い。大丸と比べると、高島屋は店舗建築をブランド価値に結びつけてるという指摘は納得。高輪消防署を初めてみたときの感動も思い出した。次、門前仲町に行くときは、深川食堂を見に行こうと思う2023/04/22