出版社内容情報
『昴』愛蔵文庫版、飛躍の第4集
ニューヨークの場末のバレエ団「システロン・バレエ・カンパニー」に入団したすばる。彼女のプロ初舞台は、刑務所の慰問公演という形で実現することになった。バレエに無関心な受刑者たちの興味を引くべく、扇情的な踊りを見せるすばる。だが、一時はキャバレーのような盛り上がりを見せた場内も、徐々にその熱が冷めはじめて…。
名門バレエ団「ニューヨーク・シティ・バレエ」のプリンシパルにして、現代エンターテインメント界の女王、プリシラ・ロバーツとの出会いが描かれた、すばる飛翔編!
【編集担当からのおすすめ情報】
自由の国・アメリカで無限の自由を謳歌するすばる。「ひとりぼっち」で踊っていた国内編とは異なり、様々な個性を持った仲間、そして「いっちゃってる」キャラ、プリシラ・ロバーツとすばるの掛け合いは必見です!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空のかなた
18
NYのシステロン・バレエ・カンパニーへ入団した昴。ローザンヌで昴を優勝させないために、強いお酒を飲ませた張本人ザックが芸術監督をしているカンパニー。公演もできない、スポンサーもない、仕事かけもちの団員ばかりのカンパニーに昴がいても踊れる見込みさえない。やっときた刑務所への慰問公演(ノーギャラ)での昴の踊りは流石圧倒的。でもローザンヌ最優秀賞を経て順当に留学してプリンシパルへという展開にならないところがこのコミックの真骨頂。表紙のボレロを思わせる装丁が次刊へ繋がっていく。昴の危うさが表現されている。2022/07/07
きなこチロル
1
すばると練習するたび、団員たちも上へ。刑務所へ慰問公演。演目が『ドン・キホーテ』すばるはキトリ役。自由を失くした囚人と自由を手に入れたすばるが対照的で印象に残った。後半はニューヨーク・シティ・バレエのトップダンサーのプリシラ・ロバーツ登場。高みへ登りつめた者しか分からない苦悩。《アイツが出れば…きっと、なんとかしてくれる──》2014/10/06
タクミ
0
アメリカっぽい展開でなんだか映画みたい。そんな中で急にポンと入ってる日本人女性との1日がなんとも不思議な位置づけで…閑話休題ってこと?後半にはまたまた新キャラ登場で、またも昴に強いインスピレーションを与えてくれそうな人みたいで…おばさん描写には笑った、プリシラの飾らない性格も好き。次は彼女との絡みが増えそうで、今から続き読むのが楽しみです2016/03/21
nadaha
0
ほんっとうに悔しいぐらいに面白い。文庫版の表紙のセンスも良い。すばるちゃんに触発されてどんどん変わっていく団員たち。慄く囚人たち。トップスターさえも動かすその才能。読んでてほれぼれする。そんで何より演技中の鬼気迫る描写が本当に素晴らしい。慰問公演のドンキホーテで囚人の反応がだんだん変わっていくとこは面白かったなぁ。あと、プリシラ・ロバーツが実に良いキャラしてる。頂点を極めた人物だからこそわかる苦悩とか「こんなに頼もしいオーロラ姫ないわ!」って台詞とかすごく印象的だった。今後どうなってくんだろうなー。2013/07/24