出版社内容情報
超未来の地球を大スケールで描くSFロマン
「夢の子供」キラは、限りなく幸福な子供を創造することに憑かれた猛気の科学者イワンによって作り出された。だが、不毛の地球に生まれ満ちるキラたちをイワンが夢想したとき、破局がやってきた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
34
2300年、地球上の水全てが細菌に汚染されて、"D因子”に感染した女性は不妊となり死に絶えた。抗体はY遺伝子に乗り、男性は抵抗力を獲得して生き延びることが可能になったが、地上に女性はいなくなった。”カンパニー”は地球上にドーム都市”センター”を作り、人口受精により作られた子供を市民に供給する。生みの母の象徴として、各都市に一人の”マザ”が置かれ、かくて地球上には一人の母と大勢の息子というミツバチのような社会が半ば自然発生的に、半ば人工的に誕生した。地球上は壮大な生と進化の実験場と化していた。という2025/06/08
だいだい(橙)
24
再読しました。キラとアシジンとグリンジャの三角関係(?)は終わらない(笑)。2巻では、キラの出生の秘密が明かされます。キラの能力が危険なものと知り、別の能力者が「狩り」のためにゴビ砂漠から呼ばれ、マルグレーブのもとに。相変わらず野生の獣のようなキラだけど、いちおう年齢的には16歳なんですね。母親であるアーリンが哀れです。これは、〇〇しても仕方ないわ。2024/03/24
yumiha
22
たぶん再読だが初読気分。天才のひらめきは、狂気に近いと思わせる科学者イワン、もとい萩尾望都。子宮は母体とは別人格、マージナルなものだから異物としての赤ん坊を宿すことができる、なんて言われると、えっ!そうなん?と動揺してしまう。さらに副腎皮質は子宮用の腦であり、そこに太古の記憶が受け継がれているなんて、ひえ~っと叫んでしまふ。私の知らないところで、勝手に機能してるのねん。この巻で、キラの正体が明らかになりまする。2016/02/13
karutaroton
20
出産ということをすごく考えさせられる。子供を産むというプレッシャーというのは、今の日本も一緒だなーとか。なお、この本は分野的にはSFです。あと一冊で全部回収されるのかな?2019/07/07
還暦院erk
10
蔵書再読。子宮とイワンあたりの話がちとわからなかった。不妊やホルモンがらみの設定は医学の専門家が読んだりするとどうなんだろう?まぁそんなこと言いだすとESPとかどうよってことにもなるか。それはともかく、萩尾漫画はどんなにシリアスなテーマであっても「劇画」ではなくて、いい意味での「漫画」なのがお気に入り。幻想的なコマ・抽象的なシーン・そしてちょっとユーモラスなどたばた場面まで上手く調和してるのが凄いんだよねー。んで、お話の結末が予測できぬまま3巻へ突入!2016/03/13
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- 和書
- 死んでしまう系のぼくらに