出版社内容情報
「この世界はマンガ、僕が主人公なんだ」
中学二年生の津乃峰アリスは、クラスメイトの星野宇宙から「自分達がいる世界はマンガで、僕が主人公である」と告白された。そう言われてみると、確かに見える「フキダシ」。常に“何者か”に“読まれている”状態での学校生活…アリスのプライベートも、心の中も、すべて丸見えに? そしてその先にある「真相」とは? IKKI新人賞・イキマン出身の実力派新人作家、超待望の初単行本!
【編集担当からのおすすめ情報】
『鮫島さん』でIKKI新人賞・イキマンを受賞した野田彩子氏。熱烈な再登場希望の声にこたえて『わたしの宇宙』が連載開始となるやいなや、瞬く間にTwitterを中心に話題となりました。そして、この度、待望の単行本第1集が発売です! 野田氏の持ち味は、荒いタッチでありながら緻密かつ繊細に紡がれていく物語と、斬新かつ大胆なアイデア、そして魅力的なキャラクター達。ヒロインのアリスの可愛さはもちろん、双子の兄弟である宇宙くんと真理くんの個性の違いにも注目です。「実力派作家」の実力、どうぞご覧ください!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カッコー
21
自分がマンガの登場人物だと気づいた人達が繰り広げるメタなストーリー。ギャグのようでこの世界に真剣に向き合ったりと出オチではない深さを感じる。千代子ちゃんのお花畑っぷりがカワイイ。2015/05/19
ぐうぐう
19
いわゆるメタ漫画は、これまでもたくさんあった。登場人物が「所詮、俺は脇役だからな」とぼやいてみせたり、作者が突然現れたり。しかしそれらは、あくまでくすぐりというか、笑いのネタとしてあるだけだった。ところが、この『わたしの宇宙』のメタ構造は、まるで違う。中学生の主人公が「この世界はマンガなんだ」と気付くことから物語が始まるのだから。読者(もしくは作者)の視線を感じたり、フキダシが目に見えたり、主要な登場人物達は、ここがマンガであることを意識して過ごすこととなる。(つづく)2013/10/03
ブレーメン
10
主人公・宇宙は自分の生きる世界が漫画の中だと気づいた訳だが、リアルに漫画として人に見られる描写があるしモノローグや吹き出しも見えちゃう。美術教師の言葉『もうすぐ折り返し地点だ』を受ければ、次の2巻で終わりかと思われる。『登場人物は最終回を迎えた後どうなると思う?』失踪する主人公。しかし不在でも漫画は進む。だって漫画だもん。うわ〜、これ、どうやって終わるんだろう…凄い漫画だぁ。2013/11/19
半熟タマゴ@コミック
9
自分達が漫画の世界のキャラクターだと自覚しているなんともメタな作品。次巻は一時的に主人公チェンジになるんだろうか。どんな終わらせ方にするのか今後の展開が気になる。2014/04/15
虎師匠
9
自分達の暮らす世界が物語、と言うか漫画の中の世界と知ったヒロインと少年の日常と葛藤を描く青春メタフィクション。コマ割りや構図が文字通り彼らを見つめるカメラであり、真正面の構図はそのまま彼らと見つめ合っている事である、と言うメタならではの視点解釈がかなりユニーク。「ゼクレアトル」と異なり、創られた世界を認識出来る者が複数いて、常に誰かの創作物である事に自覚的な世界観、新人らしい少し硬質な描線が作風にマッチしているのも良かったな。(コメ欄にてネタバレ感想2013/10/04