出版社内容情報
手塚治虫を勝手にチェイスする男!!
時は昭和30年代前半。まだ週刊漫画雑誌もなかった時代…既に時代の寵児となっていた“漫画の神様”手塚治虫に人知れず挑み続ける一人の漫画家がいた!!海徳光市。月刊誌に3本の連載を抱える、そこそこの人気漫画家である。海徳は、手塚治虫と同じ歳で、表向きは「手塚って、つまんない漫画いっぱい描くよなあ」と批判しつつも、裏でこっそり手塚漫画をコレクションする。そして、手塚がアレをしていると聞けば、自分も真似をし、コレをやっていると聞けば、それに挑戦してみる。どこまでも手塚治虫を“勝手にライバル視する男”…海徳光市の奮闘記!!
【編集担当からのおすすめ情報】
こよなく尊敬する手塚治虫先生に対する、作者コージィ城倉先生からのオマージュと言っていい作品です。この世の中に沢山存在する手塚治虫先生に関する活字本、漫画本の中でも、明らかに異彩を放っていると自負しています。ビッグコミックスペリオール誌でも、またネットやツイッターで話題騒然です!!主人公・海徳光市が面白すぎると大評判です!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
19
昭和30年代前半、手塚治虫をライバル視する、戦記ものを描く漫画家・海徳光市。手塚に反発しながらも、手塚の影響をガッツリ受け、手塚の後を追うチェイサーである。海徳が手塚の影なのはあきらかだ。影は本人から離れることなく、本人を追い続ける運命にある。むろん、本人なれるはずもない。そんな影の視点から、手塚治虫の業績を照らすのが、本作の目的のようだ。しかし、『チェイサー』には様々な仕掛けが施されている。それだけが目的では、どうやらなさそうだ。うんうん、『0マン』は大傑作だよね。2018/01/23
アナクマ
17
手塚治虫は凄すぎる、が骨格。そして、シリアスで暑苦しい画風に笑いをまぶして、追随者の可笑しみが滲み出るような作風を、狙って描いた作品と受け止めました。◉しかしピンとこない。肝心の手塚の凄さがいちいち間接的で響かない。主人公が手塚の行動をなぞってみせてもそれ以上の展開はなく、作品/作者自身の主張もないようなので退屈でした。ギャグ漫画としてもひとつも笑えなかったので相性が悪かった、ごめんなさい。2018/07/01
kanon
17
「その男は実在した」に毎回やられて、結構な頻度で、更に時間も長く、主人公の”海徳光一”について調べてしまったのだが、何かまだよく分からないままである…でもしかし、モデルはいるとしても、実在はしてなさそうだなあと言うのが真実っぽい。ああ、悲しい。ノンフィクションならノンフィクションでもっと面白く感じれたと思うのだ。いや、今のままでもめちゃくちゃ面白いけれど。手塚治虫はしっかり読んだことはないけれど、ブラックジャック創作秘話も好きだったし、何というか、手塚治虫その本人自体に惹かれているんだと思う。2015/07/02
S.Mori
12
手塚治虫に異様なライバル心を持つ漫画家が主人公の物語です。面白くて一気に読んでしまいました。このような他人に対するコンプレックスはどんな人でも多かれ少なかれ持つでしょう。だから主人公に感情移入して読めます。ただし、それが手塚先生のような天才だったら、途方もない苦しみになるのは間違いありません。天才になんとか負けないように奮闘する主人公を応援しながら読みました。漫画勃興期の雰囲気が生き生きと伝わってくるところも好みです。2019/11/14
ワダマコト
8
手塚治虫氏の世間からの忘却を阻止しようかのごとく、関連作品がバンバン出てきているなぁ。ブラックジャック創作秘話といい、このチェイサーといい。2015/03/03
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- 和書
- EDNE