出版社内容情報
国際結婚相談所の仲介で夫婦となった宍戸岩男とフィリピン娘のアイリーン…。実力派が渾身の力で描く、武骨で正直な結婚の形!
▼第1話/暴路▼第2話/原点▼第3話/除去▼第4話/囃子▼第5話/徒花▼第6話/名残▼第7話/流転▼第8話/亡骸▼第9話/氷点▼第10話/恐喝▼第11話/姥捨▼第12話/永却●登場人物/宍戸岩男(42歳、独身。兼業農家の長男。パチンコ店勤務)、アイリーン(フィリピン人、18歳)、吉岡愛子(23歳、パチンコ店勤務、バツイチ子持ち)、宍戸ツル(岩男の母)●あらすじ/アイリーンをさらいに来た「ひき屋」塩崎を猟銃で撃ち殺した岩男。恐怖と興奮からか、女と名の付く者すべてを犯すかの勢いで暴走する・・・・!?(第1話)▼殺人と、暴走する性欲・・・・。アイリーン以外の女と犯す事で、妻・アイリーンへの“愛のようなもの”を確認していく岩男。行方のわからなくなったヤクザ・塩崎を捜して、ヤクザが次々にやって来るが・・・・?(第2話)●本巻の特徴/社会的な存在であるはずの“夫婦”が、村や町や、人間関係や、社会すべてと衝突し、逃亡するうち、ただの“男と女”であることに気づいていく。暴走と逃亡の果てに、岩男は山の中でアイリーンを思いながら、死す。遺されたアイリーンと母・ツルは、新たなる闘いを始める。そして…? もはや、“愛”としか呼ぶことのできない激しく、正直な“男
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
下っ端
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世ニ一切ノ未練御座ヒマセン2024/02/08
やいとや
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完結。情念が収まり切らない程のパワーを飛び回りまくるジャンプカットと振り回しまくるカメラワークが切り取る。ひたすらにぶつけ合い続けられる感情は読み手が着いていくのがやっとな程の強さがあり、消耗を強いられる。岩男の愚かさが痛く、アイリーンの母性が、自身を拒絶し続けるツルにも向けられる描写が、辛い。だが、ラストの2人の子を育てるアイリーンの姿は紛れもない救済であり、美しい。言語化する事が極めて難しいのが新井英樹作品であるが、この作品はその極北に位置するであろう。純文学の出番は既に終わった事を痛感させられる。2022/08/10
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