出版社内容情報
謎の怪物スナークをつかまえろ! その正体とは? 『不思議の国のアリス』の著者の、奇想天外な冒険物語に、「ムーミン」のトーベ・ヤンソンが挿絵を描いた! 気鋭の歌人・穂村弘の新訳でお届けします。
内容説明
誰も見たことがない怪物スナークを捕まえようと、船長ベルマンのもとに集まった8人と1匹。まっ白な海図を持って出航したが…噂が想像を増幅させ、極限の恐怖に支配されるなかで起こった驚くべき結末!?
著者等紹介
キャロル,ルイス[キャロル,ルイス] [Carroll,Lewis]
イギリスの作家・詩人・数学者・写真家。『不思議の国のアリス』など「アリス」シリーズをはじめ、言葉や数字で遊んだノンセンスな作品を多数創作した
ヤンソン,トーベ[ヤンソン,トーベ] [Jansson,Tove]
フィンランドの画家・小説家・絵本作家。1945年に『小さなトロールと大きな洪水』でスタートした「ムーミン」シリーズなど著書多数。1966年に国際アンデルセン賞受賞
穂村弘[ホムラヒロシ]
歌人・翻訳家・評論家・エッセイスト。ニューウェーブ短歌の旗手として、多方面に活躍を展開している。2008年に伊藤整文学賞、短歌研究賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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読書という航海の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
322
『不思議の国のアリス』よりも10数年後に書かれた作品。原文は韻文で綴られているようだ。本書は、ルイス・キャロルの詩とトーベ・ヤンソンの絵、そして訳は穂村弘という異色の組み合わせ。ちなみに、ヤンソンは『不思議の国のアリス』も描いている。穂村弘にとっては、おそらく初めての試み。さぞ苦心を凝らしただろうと思われるのに、こんなにあっさりと読んでしまって、申し訳ないような。内容はアリスよりもさらに荒唐無稽なナンセンス詩が8篇。幻のスナークはベケットのゴドーを連想させるが、難解さはあるいはそれ以上かとも思う。2014/11/29
nuit@積読消化中
166
ルイス・キャロルとトーベ・ヤンソンの夢の組み合わせ!しかし、訳者の種村氏もあとがきで語っている通り、作品は19世紀の韻文、ルイスは言葉遊びの天才、もはや種村氏が素晴らしい工夫で訳をしてくれていても、私の読解力では歯が立たない(苦笑)!…しかし、登場する奇想天外なキャラたちが、正体不明のスナークを「細心の注意をもって指ぬきで探す」意気込みだけは理解できました(笑)。加え、第5の歌のビーバーと肉屋の友情にはきゅんとしました。そして、トーベ・ヤンソンの絵は、どれをとっても可愛くて大好きです(๑˃̵ᴗ˂̵)!2017/09/24
新地学@児童書病発動中
147
ルイス・キャロル(作者)、穂村弘(訳者)、トーベ・ヤンソン(絵)という、私にとっては夢の共演。ヤンソンの絵が特に素晴らしく、原作の持つちょっと不気味でちょっとユーモラスでちょっと切ない雰囲気を、見事に表現している。ほむほむの訳も素晴らしかった。日本語の「五・七」のリズムを活かしたもので、読みやすい。おまけに最後に「反歌」を付け加えて、この作品に独特の味わいを付け加えている。肝心の物語は透明なナンセンスにあふれており、そのナンセンスの中に浸りきるのは楽しい体験だった。2014/11/18
nobby
127
これは僕には分からない(笑)最後に触れた「そうスナークはブージャムだった」という一文で相対したあの事実、そしてバンダースナッチの登場を目にしただけで満足としよう♬とにかく元々が言葉遊びで韻文で歌らしいと知ったが、正直この訳でそのニュアンスを感じ取ることは難しかった…かと言って、原語での確認の障壁は極めて高いし…何より、きちんとした物語がある訳でもないので、トーベ・ヤンソンのムーミン風な挿絵で雰囲気を味わえばいいんだと思う。それでもやっぱり自分はワードやセンテンスだけではなくてストーリーありきに魅力感じる…2019/12/16
優希
96
ルイス・キャロルの韻文にトーベ・ヤンソンが挿絵をつけた作品です。ナンセンスながらも言葉遊びの才能は健在。目に見えない「物」を捕まえようとする冒険。噂によって想像が豊かになり、恐怖へと変わっていくのですが、結局怪物「スナーク」は存在したのでしょうか。意味を考えて読むより、リズムにのって読むのが向いている作品だと思います。五七調のリズムが何気に懐かしい感覚にしてくれます。2015/07/05
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