内容説明
お金がない日々に、でっかい幸せ見つけた!『雨鱒の川』から『翼はいつまでも』(「本の雑誌」2001年ベスト1)までの雌伏の10年。妻と愛娘。そして愉快な仲間たちとの楽しきシンプルライフ。
目次
ビトウィン生活
選挙はフェスティバルだ!
釣りの神様
至高の闘い
海へ
小説の順位
松茸クラブ大冒険
虫歯男
小さな駅
午後のティータイム
ステキな出会い
父親自慢大会
涙のプレゼント
ベスト・ワン
著者等紹介
川上健一[カワカミケンイチ]
1949年8月7日、青森県十和田市生まれ。県立十和田工業高校卒業。高校時代は投手として活躍。上京後、広告会社を開設するなど様々な職業を経て、小説を書きはじめる。1977年、『跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ』で第28回小説現代新人賞を受賞し、作家デビュー。青春小説やスポーツ小説を中心に独自の作風で注目されるが、1990年、『雨鱒の川』を刊行後、しばらく執筆から遠ざかる。2001年、11年ぶりの作品『翼はいつまでも』を刊行し復活を遂げる。同作で「本の雑誌」2001年度ベスト1に選ばれ、翌2002年、第17回坪田譲治文学賞を受賞
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感想・レビュー
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らぴ
26
小説が書けなくなり、身体も壊して山梨の山麓で極貧生活をした著者が、その生活を描いたエッセイ。貧乏をむしろ楽しんでいる様子が読んでいてうらやましくなるほど。奥さんもすごい。2010/07/23
sonomi
12
高野秀行氏がオススメしていたので何気なく手にとる。こんなにも目頭が熱くなってしまう本だったとは…。著者はある日突然小説が書けなくなり、八ヶ岳で療養生活を(妻子と)始めて10年。小説家として復活を遂げるまでを書いている。大きな収入なし、家は穴だらけ、釣った魚が毎日のごちそう。こんな生活誰もしたくないと思うだろうに、小さな幸せが大きな幸せに感じられるキラキラした毎日が羨ましくてたまらなくなる。著者の小説は未読だが、こんなにも愛情溢れた生活を送っている人が書いた小説が面白くないはずがないと思う。2010/02/06
そうたそ
7
★★★☆☆ 著者が十年間小説を書いていなかった間の生活を綴ったエッセイ。妻と娘との田舎でののんびりとした生活が描かれ、ユーモア溢れる筆致についつい引き込まれてしまう。小説とはまた違った著者の一面が感じられる内容であり、この焦らずのんびり暮らしていた日々から、あの名作「翼はいつまでも」が生まれたのかと思うと、感慨深いものはある。2024/05/28
ナユタ
3
著者休筆時のエッセイ。傍目から見るとどう考えても貧困生活なはずなのに、こんなにも楽しくて幸せそうに見えてしまうのは何故なんでしょう?作者とその子供が遠出した母親を駅のホームで待つハナシがとてもよい。2008/11/12
こたとも
2
著者の自叙伝だったのですね。面白くサクサク読めました。なんといっても奥さまが素敵。お金がないってほんと不安になってイライラしがちだけど、日々を楽しんでてとてもよかった。山があって川があって、自然の恵みを受け取れる環境。山梨いいなぁ。2018/05/15