内容説明
老人ホームで余生を過ごすサラは、クリスマスがめぐってくるたびに、特別な儀式をすることにしていた。自分の人生の節目となる言葉を書き記した紙飾りをツリーに吊るしながら、これまでの人生を思い返すのだ―そして、あの歌が彼女に奇跡を起こし愛を与えてくれたことを。しかし、今年はいつもと違うものになった。自らの体験をどうしても伝えたい人がサラの前に現れたのだ。介護士のベスである。サラは結婚生活に思い悩むベスに手を差し伸べようと、苦難の人生を語り始める―想いを寄せていた恋人と別れ、歌手を目指して故郷を離れたこと、夢破れて帰郷し、教会で懺悔したこと、あの歌がかつての恋人に再会させてくれたことなど。そして、儀式が終わるクリスマス・イヴの日に、素晴らしい奇跡が起きる。
著者等紹介
キングズベリー,カレン[キングズベリー,カレン][Kingsbury,Karen]
作家。「ロサンゼルス・デイリー・ニュース」紙の記者を経て、「ピープル」誌に寄稿。数十冊の著書があり、そのほとんどが家族で読まれるベストセラーに入っている。ノースウェスト在住
小沢瑞穂[オザワミズホ]
翻訳家。立教大学文学部英文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅香
30
クリスマスの前の12日間。1つの紙飾りに1つの言葉をツリーへ。12日目が終わったら愛を見出す秘密を語ろう。。包みこむような優しい語り口。美しい物語はいつもより長い時間かけて語られる。その言葉通り1日1つずつ紐解く過去は美しく、しんしんと深い場所まで降り注ぐ。読後、一面真っ白なった心に愛の贈り物が届く物語。多忙で見失いそうな大切ことを思い出させてくれる。自分の今までを12の言葉で当てはめるとしたらどんな言葉で飾るのだろう。本当のクリスマスの意味を知った気がする。誰かに愛を届けたくなる。素敵なラブストーリー。2013/12/09
小夜風
26
【図書館】「赤い手袋の奇跡」3作目。今回は子どもが出てこないからか、あまり惹き込まれなかった。先の2冊から感じていた「これって児童書じゃないよな~」という気持ちは、この本で確信に変わりました。大人の恋愛話、夫婦の問題の話です。自分自身が冷えきった夫婦なので(苦笑)、ちょっと冷めた目で読んでしまいました。でも良いお話なのでクリスマスの時期にオススメです。2014/11/20
星落秋風五丈原
13
年経りた女性が若い世代に自らの体験を話して再生に導くストーリーは、キャシー・ベイツ&ジェシカ・タンディ共演の映画『フライド・グリーン・トマト』を彷彿とさせる。苦しみや喜びに満ちた一人一人の物語はそれぞれ違うが、心の中に響く言葉は、なぜか同じ。そのことこそが、奇跡であるような気がする。 「信じる心を取り戻すのに、遅すぎることはない。正しい道にたどり着くのに、遅すぎることはない。愛を取り戻すのに、遅すぎることはない。もう一度やり直すのに、遅すぎることはない。」 クリスマスで家族に読むのに、ふさわしい本。2008/11/27
おっくん
12
赤い手袋シリーズの3冊目。前作より間が空いてしまったが、時期はぴったり。今作では、大人の女性の恋と夫婦の在り方を問う。キリスト教の神の教えに従い、家族を大切にする事が一番の幸せと教える。人生の終盤を覚悟したサラの想いが叶えられ、思い残すことなく生き切った姿に涙。2016/12/16
ばなな
12
夫婦離婚の危機をサラが救う。丁度、息子夫婦も喧嘩して離婚の話もちらほら…そんな時に、この本を手にして図書館から借りる。(先週は、借りられていた)これって神様からの導き?と、思うほど。何をするにも遅すぎるってことはない。この事を連絡。旧約聖書、箴言(しんげん)四章二十三節のページをめくる。”油断することなく、あなたの心を守れ、命の泉は、ここから流れ出るからである”…ウ~ン。難しい。 でも人を愛する大切さを教える本でした。2014/02/04