内容説明
小峰家の末娘布由子は、姉奈津子の友人の誘いで上京。自分の輪郭を持った生き方を求める布由子の冒険が始まる―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ochatomo
1
奈津子、波留子、に続く4姉妹の物語 1992刊1993/01/31
空の落下地点。
0
私が生まれる前の本だ。赤かオレンジか判らない装丁の本を布由子が持っていて、それは三月だ。自分が赤なのかオレンジなのか、選びきれない朱音。理瀬の兄がオレンジの花を見て切ない表情をするのは、空港でのこのシーンにそっくりだ。70P、金子貞生イズムだー。彼女たちは全員、金子貞生の子ども。承認欲求には二種類あるんだ。ありのままの自分を承認されたいという受動的承認欲求と、承認される為なら手段を択ばない能動的承認欲求だ。「精神神経科に入院していた」「最終学歴は高校中退」と見知らぬ世間に向けて発表することを、怖れないで。2024/04/04