内容説明
降伏はせぬ!硝煙の五稜郭を脱け出した隊士2人。自由と、誇りを守るために奥蝦夷へ。初の時代長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中寛一
22
榎本武揚の五稜郭降伏の時に道内に投降を嫌った兵隊の物語。道東の別海町で昭和45年に発見された首無しの2体。百年から百五十年前の推定され作者が、残党兵だと推理したものという。五稜郭のときにその後、半年もの間、掃討作戦が続いていたのを初めて知った。アイヌからの搾取だけではなく、敵だったものが逃げたからといつまでも追い、斬首刑にしていったとはひどいものだ。その過程の中で、訳もなく殺されていったアイヌや和人たち。歴史の教科書では知りえなかったことを知れてよかったが、維新政府もかなり酷いね。2018/03/04
ザッハトルテ
3
日本人が過去にアイヌの人たちにどんなことをしてきたのかをしっかりと知る必要がある。アイヌの言葉も文化も消滅しかけて、残っているのは地名だけなんて悲しい。2017/12/22
Yoshihiko Nakade
3
蝦夷地三部作の第一作、函館戦争の後日談を敗者の立場から描いており、先に読んだ「婢伝五稜郭(こちらの方が新しいが)」と共通している。導入部分から結末は窺えるが、それでも予想が裏切られて欲しいと思わずにはいられない。いまや佐々木譲といえば警察小説だが、歴史小説もやはり面白い。ぜひ、他の二作も読んでみたいものだ。2013/07/15
布施克行
1
図書館本2025/02/19
あいまい模糊
1
終局ヤエコエリカが決意する場面で、堪えきれず声をあげて泣いてしまった。2020/07/11