出版社内容情報
怪我で引退した元ストリッパーのノリカは故郷で、自分の店を持つことを決意する。ダンサーを募集すると、二人の若い女性が現れて……。師匠から弟子につなぐ踊り子の矜持を鮮やかに描いた傑作長編。
桜木 紫乃[サクラギシノ]
内容説明
舞台上の怪我で引退を決意した、元ストリッパーのノリカは、故郷で店を開くことに。ダンサーを募集すると、二人の若い女性が現れて―。踊り子たちの鮮烈な生き様を描く、極上の長編小説。
著者等紹介
桜木紫乃[サクラギシノ]
1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。2007年同作を収録した『氷平線』で単行本デビュー。2013年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞を受賞。同年『ホテルローヤル』で第149回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
504
桜木さんらしいといえば、これだけ彼女らしい作品もないのではないか。北の大地に咲く元ストリッパーの物語。主人公ノリカの踊りにかける執念、独りで生きていくと決めた強靭な精神力。ノリカが踊るシーンでは、わたしも思わず身体を動かしていた。ラストの師匠の静香との再会には、一気に持っていかれた。女って強いな…女に生まれてよかったな。2018/11/17
starbro
323
桜木紫乃は、新作中心に読んでいる作家です。本作はハードボイルド・ダンス小説という感じです。考えてみるとストリッパーってエロス的要素もありますが、ダンサーであり、アスリートでもあるんだなぁと認識しました。ダンスシアター「NORIKA」で美味いマティーニを飲みながらダンスを観てみたいなぁ!2016/08/08
absinthe
319
微妙な表現。読み取りきれたか自信が無い。女が描く女。大きな事件はなく様々な対比が用いられる。札幌の寒い冬は店内の暖かさを際立たせ、2人の若さはノリカの老いを際立たせる。結末はabsintheの好みとは反対だったが、本書の結末の方が優れている。一期一会、それぞれの道が一瞬だけ重なった、偶然が生み出した一瞬の輝き。それぞれが大きなものを得た。普段読む本と違うだけに余計に印象に残った。2019/06/10
しんたろー
268
桜木さん3冊目。「また暗い話かなぁ」と先入観があったが、札幌を舞台に中年女性の再生物語が展開していて、気が付くと前向きに足掻く主人公・ノリカと一緒にダンスシアターを開店する気分になっていた。主要登場人物のJIN、みのり、瑞穂、の3人も素敵で彼らを応援する気持ちで読み進めた。(オガちゃんのタンバリンには泣けた!)桜木さんのダンスとストリップへの愛情も伝わってきて、20年以上ぶりに劇場へ行ってみたくなった。もし、札幌にリアルにあるなら、おにぎり(たらこバター&チーズわかめ)を味わいたい! 2017/04/21
しんごろ
236
元ストリッパーのノリカの再生の物語、いや、夢を追い夢の続きに向かう物語というべきか。ノリカ、若いダンサーのみのりと瑞穂、バーテンダーのJIN。個性的な四人の繋がり、築いてく絆が実に心地よい。中でもJINが好きだな。出しゃばらない気配り、一歩引いた姿勢は、見事に止まり木として作りあげ、縁の下の力持ちとして支えている。いぶし銀と言う言葉はJINに合う。JINが待っているなら、皆、安心して夢の続きを見れそうだ。“銀座の宝石”と呼ばれたJINのカクテルを飲んでみたい。そして、四人とも頑張れとエールを送りたい。2022/06/03
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