出版社内容情報
誰を兵隊にとるか、徴兵係のちょっとした故意が一個人の運命をどのように変えただろうか。戦中戦後の庶民の執念が殺人事件にいたるまでを迫真的に描いた推理長篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
6
★★★☆☆2018/04/01
kaikoma
2
前半部分は半分経験則が入っていますね。徴兵という自分の一生を完全に覆すものが、どのようなシステムで個人に落とし込まれるのかと、その理不尽さを訴えた内容は読み応えバッチリです。推理小説になる後半部分は面白いですが、寧ろボーナスの様な扱いでした。2024/04/17
ピコ
1
白石の「ハンドウを回されたな」を聞かなければ少なくとも河島への殺意は湧かなかったであろう。自分が招集されたばっかりに家族全員を失なってしまった信治の気持ちを思うと何とも言えない気分になる。2013/05/28
さとむ
1
前半で赤紙召集と非人間的な取扱いに対する理不尽さが語られて主人公に共感するがゆえ、後半「思い」を遂げた後、徐々に追いつめられる過程はあたかも自分が追いつめられていくかのような感じだった。2013/05/14
讃壽鐵朗
0
戦後の風俗がよくわかる2013/12/03