出版社内容情報
ドイツ占領下のフランスで、夫を救うためにレジスタンスを指揮し、ナチスに抵抗した実在女性。知られざるヒロインの戦争秘話。
内容説明
第二次大戦期、ドイツ占領下のフランスで、レジスタンス組織を指揮してドイツへの抵抗運動を戦った実在の女性がいた。オーストラリア出身で南仏の富豪の妻ナンシー。女だと侮る兵士たちを、知恵と実行力と覚悟を示して心服させる。ナチスに捕らえられた夫の身を案じ、夫への愛を胸に秘めながら、ノルマンディー上陸からフランス解放までの激動を戦い抜いた、知られざるヒロインの物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panzer Leader
58
ナチスドイツに対してレジスタンス活動をしてながらもどこかお遊び気分が抜けていなかった主人公ナンシー・ウェイク。ところが夫が逮捕されイギリスに脱出して英国特殊作戦執行部(SOE)に入隊してからの行動は圧巻。厳しい訓練に耐えてフランスに戻り烏合の衆のパルチザングループ(マキ)を率いて抵抗運動を取り仕切る。ただ実話に基づいて書かれているとはいえ登場人物達が エキセントリックな上、ナチスドイツに対して上げた戦果も膨大過ぎてフィクションっぽく思えてしまうのが難点と言えば難点だが、逆にとても映画向きであると言える。2021/08/25
かめりあうさぎ
24
初読み作家さん。第二次世界大戦中に連合国側の工作員として活躍したナンシー・ウェイクの実体験を基にした話。ナチスの壊滅に心血を注ぎフランスでレジスタンス活動をするうち「白ねずみ」の異名でゲシュタポのお尋ね者となったナンシー。フランス人の夫を逮捕され、一人イギリスに亡命、そこから英国特殊作戦執行部に入りフランス解放と夫の救出を目指し想像を絶する任務に挑む。フィクションと思えるほどのタフな任務の数々ですが、ほぼ実話というから驚きです。ページをめくる手が止まらなかったです。2021/03/15
ののまる
10
イギリスから派遣されてフランスのレジスタンスを束ね、ドイツ軍を奇襲しDディあとの英米軍を支えた指揮官ナンシー。ハイヒールで降り立ち、ゲリラ中も口紅ばっちり。夫への愛で、周りが見えなくなり部下の戦闘員を多数殺されてしまうところとか、ところどころに頻出する「オンナ度」にイライラ…。も〜ドラマみたいねえ、マダム〜、と思ってしまうのだが、ほぼ実話だった驚き。訳者あとがきにある、ナンシーの老後が切ない…、戦場の英雄も最後は勲章を売りながら暮らして98歳で没。2021/08/21
アヴォカド
10
やー、面白かった!一気読み。ハイヒール履いてパラシュート降下…なんてサイコー!じゃないですか。ナチスと闘うレジスタンスを指揮した実在の人物の事実を基に、割愛したり組み直したり膨らませたりして創作した小説、ということですが、キャラも会話もストーリーも面白くてページターナーです。こう来るだろうなあと思っていながらまんまとやられたり、面白かった。閉塞感吹っ飛ぶこと請け合い。映画化されるそうで、期待してしまう。2021/01/26
May
8
久しぶりの戦争活劇。史実をベース(創作部分は著者後書きに詳細あり)にしているのだけれど、なんとも勇ましい女性である。レジスタンス活動が発覚して逃れたイギリスで特殊工作員の訓練を受けて再びフランスに降下侵入、レジスタンスの男達をまとめ上げて破壊活動等に従事と、大活躍である。この勇ましい女性と、夫を助けるためにあっさりと投降までしようとする女性が同一の身体の中で同居しているのが信じられない。後者は脚色が強いのかもしれないけどね。楽しい読書になった。2022/11/19