出版社内容情報
内容説明
救世軍メンバー射殺事件の捜査チームは、犯人を特定し、クロアチア人の男を指名手配する。その男は、契約を全うするため、厳寒のオスロで過酷な逃避行を続けながら、本当のターゲットを繰り返し狙う。だが、名前が割れ、パスポートやクレジットカードが使えなくなり、手持ちの現金も底をつく。さらに、銃弾を使い果たしたために…。CWAインターナショナル・ダガー賞候補の傑作!
著者等紹介
ネスボ,ジョー[ネスボ,ジョー] [Nesbo,Jo]
1960年ノルウェーのオスロ生まれ。ノルウェー経済大学に進学。卒業後、就職する傍ら、大学時代から始めた音楽活動も続行し、バンドを結成。やがて燃え尽き症候群のような状態となり、オーストラリアへ半年逃れる。この時初めて書いた小説『ザ・バット 神話の殺人』が「ガラスの鍵」賞を含む複数の賞を受賞、作家への道が開ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
106
犯人のからくりは早目にわかった上でも、これは本当に読んでて面白いなあと…、いやいや、作者は遥か上をいっていました。こういうの、ありなのね、刑事ミステリの底に流れる、ジャンキー、ホームレス、難民、そして旧ユーゴスラビア問題。安易に仕上げていないところが本当に読み応え。解説に紹介のあった堂場瞬一氏との対談を探して読みたい。2020/08/10
巨峰
76
上下巻一気読みした。自分的にはハーリ・ホーレシリーズ最良作だと思った。かなりの長編だけど展開が早くて読むのを休めなかったし、まあ大きなどんでん返しが2度3度。予想もしていなかったので驚いた。ミステリー&サスペンス&クライム小説。ミックス具合がたまりません♪ホーレのあの決断もあの暗殺者の末路も個人的には納得です。また、ノルウェーの社会の暗部のようなものも。ガイドブックではわからないところがミステリでは読めるので興味深いです。2019/03/04
のぶ
74
上巻でゆっくりだった進行が、下巻に入り大きく展開しスピード感が増してきた。徐々に明らかになってくる真相に捜査は進み、事件の奥深さが明らかになり面白くなってきた。合わせて、ハリーの弱さや人間味が合わせて描かれていて興味深かった。ただ、事件の被害者が救世軍の兵士であったり、「贖い主」というタイトルから、プロテスタントの要素がかなり入っていると思われたが、その辺は読み取れず残念。しかしながら、シリーズ全体の水準は維持していて、次の作品をまた読みたいと思った。2018/05/10
chiseiok
38
オーストラリア舞台の一作目は別として、再刊『コマドリの賭け』含む"オスロ三部作"、四苦八苦しつつも、本国刊行順に拘って読んだ甲斐あった!メッレルの告白が衝撃的なエピローグ。そしてそこに至るまでの(見晴らし悪いけどw)スリリングでスピーディーな展開。その途中で何度も炸裂する意表を突いたツイスト!登場人物の誰しもの命が心配、そして誰しもの心が信用できない。終始胸のざわつきが(良い意味で)収まらないまま驚愕のラスト。警察小説の結末としては賛否両論あると思うけれど堪能した。乗ってきたぞ〜、次は『スノーマン』だぁ。2019/10/14
M H
31
うぎゃー!何が起きてるのかさっぱりわからないまま下巻に突入。あの人もこの人も誰だか忘れかけて最後まで読んでもややこしいな。それでもこのシリーズ、動機であったり証拠の扱いetc…何かしら特異な点があって本作の真相も然り。ハリーのあまりにもハードモードな人生は相変わらずでシリーズものの魅力もしっかりと。あんまり幸せじゃない人が多くて心配になっちゃう。何だかんだで上下巻読ませる剛腕ネスボ。次の「スノーマン」は最初に邦訳されている、ということは面白いに違いない。2020/05/18