出版社内容情報
内容説明
来るべき時代には文明の衝突こそが世界平和にとって最大の脅威。つまり文明に基づいた国際秩序が世界戦争を防ぐための最も確実な安全装置である、と著者は語る。最終章で描き出される全面戦争勃発のシナリオは、まさに圧巻。ポスト冷戦を語る上でも、これからの未来を考える上でも、避けて通れない考察がここに。激動する世界秩序の針路を指し示す羅針盤として輝き続ける国際政治論の金字塔!
目次
第4部 文明の衝突(西欧とその他の国々:異文化間の問題点;諸文明のグローバル・ポリティックス;転機となる戦争から断層線の戦争まで;フォルト・ライン戦争の原動力)
第5部 文明の未来(西欧とさまざまな文明と単数形の文明)
著者等紹介
ハンチントン,サミュエル[ハンチントン,サミュエル] [Huntington,Samuel P.]
1927年アメリカ・ニューヨーク生まれ。アメリカを代表する国際政治学者。ハーヴァード大学教授や国家安全保障会議の安全保障政策担当のコーディネーターなどを務めた。2008年に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたなべよしお
19
今こそ、改めて読む本だろう。もちろん、西欧文明の優越を信じているんじゃないかと思われる部分もあり、やや鼻につくところもないわけではないが、ミャンマーのロヒンギャ、スペインのカタルーニャなどにアプローチする時、著者の主張が参考になることは間違いない。最後の方に書かれていた世界戦争の想定は今からみれば大外れもあるけれども十分、現実的だと感じた。2017/10/04
奏市
8
やっと読み終わった。文章量多いし、内容難しいし、なかなかに疲れた。大学時代の授業でよく耳にしてた本で、国際政治学での世界的名著が文庫になっていたので、気軽に買ってみたが、気軽に読めるものではなかった。文明と文明は相容れることなく、最悪の場合、お互いに破滅する戦争に至るという考えを中心に書かれており、相容れないとは認めたくないが、認めざるを得ない論証が成されている。9.11に至る背景が以前よりはわかった。こうした見方によると、いかに日本が孤立した国、文明であり、いかに平和が不安定なものかを思い知らされた。2019/07/20
ふぁきべ
7
議論として興味深いし、彼の指摘している点で現在の状況に当てはまっている点もあり、先見の明もあったように思うが、個々の議論を見ていくと首をかしげざるを得ない部分が多かった。彼が20年前に予測していた、反西欧の動きがイスラム国家で広がるという点では確かに正しかった。ただ、民主主義や人権、個人主義などが西欧発信のもので、それに対して反感が広がり、アジアやその他地域固有のものに対する帆自信をそれらの国が深めていくというような議論は、側面的にしか物事を見ていなかったか、とりわけアジアの国々に対する理解がかけていた2017/09/26
ゆう
3
文体になれたのか上巻より読みやすかった。下巻はイスラム多めかな?当たっているところ、そうでもないところ色々ですが興味深く読めました。2025/05/30
shiggy
3
西欧文明を一つ上に置いた議論展開はあまり面白いものではないが、文明という視点で世界を切り取ると、見え方が変わる。20年以上前の著作なので、全体的に古いが、日本が孤立した文明というのは、ハッとさせられる事ではあった。2023/08/14