感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
14
海軍の特攻──特別攻撃隊に関する5編。「特攻発動!」は関大尉を指揮官とする〝最初の〟特攻にまつわる物語。「われ特攻に参加せず」は特攻せず大きな戦果をあげ犠牲を払った芙蓉部隊の物語。「空港へ」は特攻隊員となりながら死ねなかった男の戦後。「マダガスカルの月明」と「シドニーの岸壁」は、アフリカ沖とオーストラリアに死を決して殴り込んだ特殊潜航艇の物語と、戦後に現地に赴いた作者の私記。いずれもノンフィクションとフィクションの巧みな融合であり、戦争で生き残ってしまった作者の鎮魂の言葉。今ではもう書けないお話ばかり。2022/03/14
からし
1
いわゆる神風特別攻撃隊以前の特殊潜航艇による特別攻撃隊も含む海軍特攻をテーマとした短編五篇。 「特攻発動!」 初の特別攻撃隊「敷島、大和、朝日隊」の編成から突入までを完結に記した短編。猪口参謀、中島飛行長の証言と回顧録を元にして書いている分、やはり都合の悪い部分は修整されている(隊員の選抜はほぼ強制であったとの門司副官の証言)がこの短編が書かれていた当時はこういうことになっていたのであろう。 「われ特攻に参加せず」 いわゆる彗星夜襲隊こと芙蓉部隊を描いた短編。芙蓉部隊に関してはやや伝説化している部分も2022/01/20
-
- 和書
- 智異山 〈下〉