集英社文庫<br> 二条の后

集英社文庫
二条の后

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784087495317
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

藤原一族が栄華を極める平安時代。良房、基経父子の権勢欲をくじくため、在原業平が仕掛けた罠とは、基経の実妹・高子とのいつわりの恋!?業平、清和天皇、基経、祈祷僧善祐ら四人の男性の告白を通し、“業平の東下り”の著者独自の史観を綴る表題作ほか、「尼と人魚」「わびすけ」「西鶴置きみやげ」「ほたるの庭」等々、珠玉の九篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りー

5
短編集。9編のうち、巻頭の2作が平安。あとは江戸に題材をとったもの。タイトルになっている「二条の后」藤原高子が目当てで読みました。短編なのがもったいないほど面白かった。業平、清和帝、基経、そして高子との密通の咎で流された僧善祐、四人の独白によって高子を描いています。江戸の題材は、哀しい物語が多かったです。この方の古代ものをもっと読みたくなりました。解説によると、軍国主義への反発から、維新・明治ものは書かない、と決めていらっしゃったそうで。だからなのか、抗いがたい運命を描いた作品が多かったように思います。2018/05/20

シルク

2
歴史小説の短編集。非常に怖…痛かった。斬られたり斬ったりする場面が直接描かれている訳ではないのだが。掟に縛られた人々が、逃げても逃げても無理やり先伸ばしにしても、首筋に刀の刃をぎりぎりと押し付けられて日々生殺しにされていくのを、連続で読んだ印象。作者は残酷なものを描こうと意図した訳ではなかろうに、描いたらどうしても残酷なものになる、そんな素材ばかりだ…という感じがした。平安時代、栄華を極める藤原一族の鼻を折ろうとして、在原業平が藤原家の姫高子に仕掛けた恋の顛末を、4人の男ーー業平、清和天皇、高子の兄基2014/10/12

源義

1
「二条ノ后」藤原高子廃后の話 「焔の果て」藤原信西の話 この2つが読みたくて購入。特に信西のことはよく知らなかったのでこれで勉強した。あとは江戸時代のもの。短編としては面白いことは言うまでもないが、悪い言い方をすれば所詮短編。2024/05/15

zoe

1
表題作である藤原高子と在原業平の恋を書いた「二条の后」ほか、時代小説短編集。 時代小説って、恋愛物語か怪談が多いけれど、これもしかり。 こういう本を読むと、昔の人の生活や考えることって適度だなぁと思う…。ちょっとした病気で人が亡くなる時代だったからなのだろうけれど。2021/03/03

立ち待ち月

1
読んで楽しいかどうかと言われると、正直しんどい。読み進めるのが辛い。でも、やっぱり読まされてしまうし、読んで良かったと心に残ってしまう短編集。 どんどんどうにもならない場所へと追いやられ、時に自ら入り込み破滅へと向かっていくその道程につきあうのはヘタに気持ちが入ってしまうときつくて痛くてやっていられません。 それでもいくつか、そのどん底を突き抜けた向こう側に柔らかな光の見える作品がかろうじてあるのが救いです。2017/11/07

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