内容説明
人質を楯に、身代金を奪った犯人は、厳重な包囲の中で、ビルの9階からエレベーターに乗り込んだが、1階についた時には消えていた!その頃、近くのマンションで、右翼の大物が何者かに射殺された。“2つの事件は関連するものなのか?”居合わせた警視庁公安刑事・桂田の暗い瞳が光った。彼は、2年前に妻子に逃げられ、それ以後、人が変わったといわれる。その凄腕に更に磨きがかかり…。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソルティ
235
百舌シリーズのエピソード0と聞いていて、どこが?と思ったら津城警視が出てくるためそういう位置になってるようです。先輩刑事桂田は警察そのものへの裏切り、コンビの浅見は津城さんに協力したため桂田を裏切り津城さんは真実を隠したので世間への裏切り。みんな裏切っているので誰のことも信用できなくなります。これでは警察辞めたくなりますね。「いったいなぜ、こんなことになったんですか。あなたは公安の仕事に命を燃やしていたはずだ。それがどうして─奥さんに裏切られたからですか。だからわれわれを裏切って、正義に復讐したんですか」2019/10/20
KAZOO
126
百舌シリーズの前段の話で公安警察が中心となっています。のちに出てくる津城も警視で出てきます。政治がらみの話ですが逢坂さんの最初の作品にしては結構ハードなタッチがありました。再読なのですが、もうすっかり忘れてしまっていました。ミステリーがらみで公安刑事の悲哀などもよく書かれていると感じました。2015/10/27
タックン
96
(百舌シリーズ)っていうかこれが先で(百舌の叫ぶ夜)に繋がったみたい。そうゆう意味で(百舌シリーズ)のルーツというべき作品、津城警視しか出ないけどね(笑)同時に起きた事件の謎はミステリーらしい描き方だと思った。でもプロローグや桂田刑事の挙動を見てたらだいたい想像はついた。それにゴ〇フバ〇グがあ(笑)トリックの真相にはちょっと驚いたけど。そして事件の真相と題名の意味がわかった時、桂田刑事が可哀想になった。津城警視の怪しさやエピローグでの事件の幕引き方からやっぱ(百舌シリーズ)だと思った。お勧め。2015/12/24
のり
75
1986年に初版(単行本)なのに、まったく背景に違和感なく読了。二人の公安刑事が事件に迫っていく中、MOZUシリーズの津城さんの登場にはビックリ。(*^^*)警視だし、前から喰えない人だったんだね。携帯電話もない時代の大事件の内情は流石だが、公安刑事があっさり尾行され過ぎるのは如何なものか。裏切りの日日か裏切られの日日か、どちらとも取れる。2016/04/24
BlueBerry
69
wikiによりますと百舌シリーズ(公安警察シリーズ)の最初ということで読み始めた次第。公安と言うけれど割と有り勝ちな刑事物だった感じでした。終盤にトリックがあって、それが売りな感じかな。正直言うと淡々とし過ぎていて読んでいる道中があまり楽しくない感じなので割と長く感じた本でした。こなまま百舌シリーズに進む。序盤○中盤△ラスト○総合○2014/08/14