内容説明
関ケ原から50年、徳川社会も今やリストラの嵐が吹き荒れていた。計算高く、口先のうまい武士ばかりが出世する高度管理体制に“天下の御意見番”大久保彦左衛門が一撃。屈折し、ひがみながらも「追いやられる老人の意地」をかけて戦う。“福祉”の名のもとに排されがちな年配者が経験を次世代に伝える、主体的生き方とは?今の高齢化社会政策の欠陥を示しつつ、一個の生きた人間像を描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水戸
2
将軍家光の時代の話。「三河物語」を書いた人物が主人公。古い話かと思いきや、どうしてどうして。現代に通ずる事柄が流れていて、泰平になりはじめた世と、戦争の復興とバブルを終えた世は、似た流れになるのかと、しみじみ。「水に落ちた犬は、礫で打て」という諺、はじめて知りました。欠点を拡大して、悪し様に非難するというのは、醜くてあさましくて、ひいては自分の品位を貶める行為なのに、追従するひと、いるんだなぁ……。文章は端的に、しかし説明はしっかりとなされていて、すらすら読めました。2015/07/14
よっ!
1
大久保彦左衛門の話というよりは、家光の治世の話。★★☆☆☆2011/05/20
マサ
0
大久保彦左衛門、面白い。こんな爺さん近頃あんまり見ないね。2012/11/24