内容説明
資源、交通、物流、環境―地球温暖化の兆しをきっかけに、いま北極海では様々な焦点的課題が噴出しつつある。各国の利害が錯綜する中、明日繰り広げられるのは紛争の激化か協調の進展か?歴史、国際法、地政学、航行・開発に伴う技術課題等、北極海の過去・現在、未来を多角的に展望し、日本の北極政策とともに、多様な国際機関の活動はじめ北極海ガバナンス強化の動態を詳細に考察した。
目次
第1部 北極海ガバナンスの視点(変革の時代における北極海のガバナンス;北極海をめぐる国際法上の諸問題)
第2部 北極海の現状(変わりゆく北極―紛争の地域か、協力の地域か;北極海航路―商業利用のための技術課題・技術開発;北極海航路―商業性の観点から;日本の北極問題への取り組みの現状と展望;北極地域における機会と責任―欧州連合の視点;北極海における大陸棚の延伸;スヴァールバル諸島周辺海域の国際法上の地位;スヴァールバル諸島(スピッツベルゲン)をめぐる領有紛争の歴史的経緯)
第3部 北極海ガバナンスの未来(これからの北極海ガバナンス)
著者等紹介
奥脇直也[オクワキナオヤ]
明治大学法科大学院教授、東京大学名誉教授。専攻は国際法、特に海洋法、国際組織法、国際紛争解決
城山英明[シロヤマヒデアキ]
東京大学大学院教授。専攻は行政学、科学技術と公共政策、国際行政論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中AD
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北極海の利用について基本が書いてある。北極海ルートの難問はコストが高すぎることに尽きる。そして北極地域国は海図などを独占しているがこのルートを利用国は東アジア、太平洋諸国で利用国が影響力を出すことを望んでいない。恐らく一番必要なのは日本、韓国だろう。中国は南シナ海を経由しない中国~ミャンマーのルートt、中国~パキスタンルートなどあるが日本には代替ルートがない。現在北極海ルートは利用できないから地政学の重要ポイントはミャンマーだろう。そしてこのルートからロシアは返してくれないだろう。2014/07/05