内容説明
弥次郎兵衛は、真面目に働くことの嫌いな男。金があれば放蕩の限りを尽くした。彼の身の回りの世話人、北八も同様、酒好き、女好き。やがて二人は身から出た錆、金と女のことで江戸を逃げ出し、お伊勢参りの旅に出た。小田原の宿では、五右衛門風呂を知らずに火傷。岡崎の宿では、眠りこけている美人の瞽女の布団の中にもぐりこみ失敗。弥次さん、北さんの珍道中を現代語で読む。
目次
第1章 発端
第2章 江戸から小田原まで
第3章 箱根から安倍川まで
第4章 大井川から新居まで
第5章 岡崎から伊勢まで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かっぱ
38
【図書館】現代語訳版。江戸時代は性に対して大らかだったようで、現代では考えられないようなことばかり。旅籠の女中(飯盛女)に宿賃とは別に200文払って夜のお相手にするというのが普通の世界。盲者が多く登場するのはそれだけ目の病気が多かったからだろう。銭が少なければ木賃宿。無一文なら神社か寺の境内で寝る。当時、お伊勢参りにかこつけて、ここまでではなくとも、旅の恥はかき捨てで、楽しんだ人もいたのかも知れない。文中で当時の風俗が説明されていて分かり易い。この本では、珍道中が伊勢までで終わっているのがもったいない。2021/03/22
花宴
10
小説になっていて、とても読みやすいです。当時の庶民の旅の様子、生活風俗がよくわかります。それにしてもろくでもない二人ですね〜。おバカすぎて駄目すぎる。子供や老人はおろか障害者まで騙すのはいただけない。若くて可愛い女の子を見れば、やることしか考えないし…。大概はしくじって痛い目を見るか、赤っ恥をかくというパターンなんですが。全く懲りず、ひたすら金、女、金、女…。伊勢でちょっと神妙なのがおかしい。罰当たらないかな。2018/11/20
ZEPPELIN
5
原作をスラスラ読めるような脳みそを持ち合わせていないので、現代語訳を。当時の文化や風習も文中で補足してくれているのが嬉しい。弥次さん・北さんの仲良し二人の愉快な旅なのかと思っていたら、完全な誤解であった。美人とみたら夜這いを計画・実行し、人をバカにするくせに自分がバカにされると猛烈に怒る。もちろん、悪巧みが失敗しても全く懲りない。ただの迷惑コンビである。物語だから多少の誇張はあるにしろ、こんな人が少なからず存在したのかと思うと、江戸時代もなかなか騒がしかったんですねぇ2015/01/13
ビスケ
3
授業で習ったので読みたくなり読んでみた。読みやすかったです。2014/01/27
あやぱんつ
1
読みやすい現代語訳で、江戸時代の風俗が理解できるところが良かったです。それにしても、こんなダメ人間の話だとは思わなかった。現代なら、笑い話にもならない程度の奴らじゃないかと思うんだが、江戸時代ならそれでもトンチがあれば生きていけるような、人間や社会の優しさがあったのかもなあ。2012/01/26