感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
223
一気読み❗️外国語の習得方法がすごいですね、この作家さん。こうやってマイナーな外国語を次々とマスターしてしまわれたとか。こういう生き方、かなりうらやましい。まねはできないけど。2012/04/11
ヴェネツィア
199
当初の着想では、外国人の目から見れば東京はトーキョーとして、新しい相貌を見せるのではないかという狙いだったようだ。残念ながら、その目論見は実を結んだとは言い難いが、その代わりにトーキョーを舞台にした、実にユニークな交友録が生まれた。全編、電車の中などでは読めないくらいに抱腹絶倒の連続だ。しかし、それだけではない。その裏側には著者の実に暖かい「愛」と読んでもいいような「情」が垣間見えるのだ。そして、そのことが本書を単に面白いだけのものに留まらせてはいない。行間からは時として哀愁とペーソスさえ漂うのだ。2013/04/26
やすらぎ
186
東京にいるのに異国を漂流しているという本題が秀逸。コンゴへ怪獣探しに行くため、トーキョーでフランス語とリンガラ語を勉強する、1980年代後半の話から始まる。世界には文字を持たない言語が多いという。本来は外国への旅を主題とするところ、それは別冊に任せていることの面白さ。外国人と一緒にいると東京がトーキョーになる不思議。人の行かないところへ行く。人のやらないことをやる。それが辺境ライターのテーマ。誰にも真似できない人脈を形成し、唯一無二の人生を送っている。リアリティのある著者の本はまた読みたくなる魅力がある。2025/01/12
やせあずき
115
冒険に人生を捧げておられる高野さんの本を読むと、あまりの破天荒ぶりに、自分の人生経験の乏しさと視野の狭さと人生の道のりの平坦さを思い知らされます。出てくる外国人の言動が、理解に苦しむけどとにかく面白くて、その律儀さが愛おしくなります。そして、「外国人と一緒にいると、目に映る風景も外国人のものになる。東京がトーキョーになる。」と、著者が書いておられるとおり、外国人との関わりがすごく新鮮で楽しいものに感じられます。高野さんのノンフィクション、やはり秀逸ですね。もっと追いかけたいです。2016/05/07
読特
111
言語は覚えようとしないのにブトー(舞踏)には夢中になるフランス人。お金に窮してビザの申請用紙に手数料をとるザイール大使館。ウエキと称して日系人となりすますが入管を却下される百一人のペルー人。日本語を話せずバイトの口を断られ続けるイラク人。東京ドームでお手盛りの実況の下、野球を解説する盲目のスーダン人。…国内にいながら異国を旅する。外国人の視点に立って、自国を体験する。必ずしも同調はしなくても、彼らの靴を履いて漂流してみる。いつしか東京はトーキョーになる。移民国家になりつつあるこの国で折り合いをつけていく。2025/04/27
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