内容説明
運動オンチで泳げないけれど、学校の成績だけはいい七生。なのにどんなに頑張っても同じクラスの伊戸川くんだけは追い抜くことができない。負けたくない!塾に通うことにした七生だが、驚いたことに伊戸川くんも同じ塾に通っていた。ライバル心がいつしか淡い恋心に変わって―。不器用で一途な少女の、ひと夏の成長をつづる青春ストーリー。巻末に文庫書き下ろし特別エッセイを収録。
著者等紹介
山本文緒[ヤマモトフミオ]
1962年、神奈川県生まれ。神奈川大学卒。87年コバルト・ノベル大賞佳作の「プレミアム・プールの日々」でデビュー。99年「恋愛中毒」で吉川英治文学新人賞を受賞。2001年「プラナリア」で直木賞受賞
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感想・レビュー
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アッシュ姉
74
デビューから三作目の復刻版。専業作家になってから初めて書いた本で少女小説のなかで一番好きな一冊にして、唯一達成感のあった作品だという。眩しくて瑞々しくて甘くて切ない。中高生が読んでも面白いと思うし、少女小説と括るのが勿体ないほど大人が読んでも楽しめる。『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞を受賞してから、直木賞を目指して『プラナリア』で受賞、当時からその後までの心境が綴られている巻末エッセイも必見。2022/01/20
のんき
62
七生は、高校受験のために、塾に通うことに。そこで、ある人をだんだん好きになっていきます。彼に恋人がいたとしても、「恋人いるの?」と聞けません。彼が好きだけど、「好きだ」と言えません。彼のために高校に合格しようとします。女の子の乙女心が、うまく表現されていました。まぶしくて見えない彼との別れが、せつなかったです。2017/10/05
coco夏ko10角
31
読む前はキラキラ青春小説かと。タイトルにあるまぶしいものがそれだとは。クラスメイトの伊戸川くんがいい子だ。2016/10/23
ちーちゃん
25
おもしろくて一気読み❣️コバルト復刻版5冊目で、デビュー3冊目、作家自身が好きな作品だったそう☆成績はイイけど運動音痴の七生が通うようになった塾に纏わる連作。ライバルの伊戸川君と親友テルコも一緒に。講師の樺木さんがイケメンでやり手でミステリアス…15歳の不安定な心と夢と恋心♡ドキドキも微笑ましい…コシヒカリとササニシキにはとにかく笑えて。本編もいいけど、あとがきと巻末エッセイが更によかった💗山本文緒さんの生の声と思いを感じた…私がどうして山本文緒さんとその作品が好きなのかわかった気がした会いたかった💕2022/05/03
たぬ
24
☆4 同じクラスに性格のいい親友がいて雑談を交わせる男子もいる。姉を慕ってくれる素直な弟がいる。本人は「あたしなんて」って否定するだろうけど七生の日々はキラッキラで瑞々しい。その一方でプールで溺れかけた教え子を体力がないと説教する体育教師。預かり物のオウムをわざと逃がす母親。女子生徒に抱きつく塾講師の28歳男。中学生に酒を飲ませ女子生徒を襲う一歩手前な塾講師28男。エトセトラ。ありえない大人も複数出てきて不穏な面もかなり大きい。2025/04/17