内容説明
年を取ったからこそわかる歓び、自分一個で生きる自由、小さな生き物への愛着、日溜まりで物思う贅沢、その日最初の酒のうまさ…「“今ココニ”を全力で生きる」。老年の美学を貫いて逝った中野孝次氏が遺した珠玉のエッセイ22篇とともに、亡くなる三日前に口述した最後の言葉「縁」、三年前に書き置いた「死に際しての処置」を収録。
目次
つねに共に生きて
老年の美学
遊びも人生の内
一流の芸の育つ年頃
「今ココニ」を全力で
染め直しのこころ
リサイクルという発想
再説・理想の寝具
明るすぎは品がない
刃物と帽子と〔ほか〕
著者等紹介
中野孝次[ナカノコウジ]
大正14(1925)年、千葉県に生れる。東京大学文学部卒業。カフカ、ノサックなど現代ドイツ文学の翻訳紹介、日本文学の批評、小説、エッセイなど多彩な執筆活動をつづける。堅実な作風で、現代社会にいかに生きるかを真摯に問う作品には高い評価がよせられ、表現する者としての責任を忘れぬ作家生活は深く信頼されてきた。主な著書に、『ブリューゲルへの旅』(日本エッセイスト・クラブ賞)、『麦熟るる日に』(平林たい子賞)、『ハラスのいた日々』(新田次郎賞)など多数。平成16(2004)年、逝去
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