出版社内容情報
内容説明
滑川駅で父が突然亡くなった。駅前には一台の自転車が取り残されていた。父は、宮崎へ出張に行ったはずなのに、なぜ―。十五年後、絵本作家になった娘・真帆は父の足跡を辿り富山へと向かった。一方、東京で桃いていた千春は、都会での生活に疲れ故郷へと戻る。そこで年下の従弟・佑樹と入善の町に広がる田園風景に癒されていく。富山・京都・東京、三都市の家族の運命が静かに交差する物語。
著者等紹介
宮本輝[ミヤモトテル]
1947年3月6日兵庫県生まれ。77年『泥の河』で第13回太宰治賞を受賞しデビュー。78年『螢川』で第78回芥川龍之介賞、87年『優駿』で第21回吉川英治文学賞を受賞。2004年『約束の冬』で第54回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門を、10年『骸骨ビルの庭』で第13回司馬遼太郎賞受賞。また同年、紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読書という航海の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
466
『流転の海』以来の輝りんの作品。舞台は富山の美しい田園地帯、京都のお茶屋街。15年前に不慮の病で亡くなった男性をめぐる、ひとびとの物語。相変わらず悪人が出てこず、明るい未来も約束されているようで安心して読めるのだが、登場人物をここまで増やす必要は?田園地帯は夏の最中、ヘルメットもかぶらず自転車でまわる必要はあったのか?数々の疑問を抱えつつも下巻へ。2022/01/15
ykmmr (^_^)
145
読友さんが感想をあげており、次はこの本を読もうと決めていた輝さん作品。実は、富山舞台はそこの名水が好きな父の付き添いで、結構行っている。書いてある橋のモデルなのかな?の『やまびこ橋』も通った事がある。そんな富山の遠景と、歴史あふれる京都・首都東京が、舞台としてコラボする。『父』・『(不倫)恋人』・『職人』・『夫』の4つの顔を持つ人物の死を皮切りに、彼と関わる人たちが、繋がっていく。一見、クセがありそうな人でも、実は悪人とかではなく、その人の人生観が出来ていて…という輝さんスタイルであるが…。2022/04/21
ゴンゾウ@新潮部
120
東京、京都、富山で物語はそれぞれ始まる。数年前のひと組の男女の秘められた恋の結末が時を越えて動き出す。そして繋がらなかったはずの人々が。隠されていた 秘密が少しづつ明らかになる。宮本輝さんの静謐な文章で静かに描かれている。熾火の炎のようなメラメラとした感情が下巻に移り燃え上がる炎のようになるのだろうか。【ナツイチ2018】2019/01/15
aqua_33
69
宮本輝さん初読み。穏やかな田園風景が綴られる話の中にあるミステリー調(でも多分ミステリーではない)。なかなか複雑な人間関係。この本読んで私は風景描写を読むのが苦手で人の性格とか気持ちといったキャラ読みを好むのだなと改めて思った。しかし上巻しか読んでないからというのもあるけど、これは感想書くのが難しい…。下巻の着地点が全く読めない。取り合えず下巻に進みます。《2018年72冊目》2018/04/03
エドワード
60
北陸新幹線の無い頃、東京から富山へ行く鉄道は、長岡乗換の北陸本線。日本海に沈む夕陽の赤、立山連峰の白、富山県の東部が舞台だ。自転車会社の社長の謎の死を遠景に、社長の娘・絵本作家の真帆と、京都の出版社の多美子が<ゴッホの星月夜のような場所>を訪れる旅が実に魅力的だ。その豊かな扇状地・入善は、空の無い東京での生活に疲れ帰郷する千春の故郷でもある。大都会とあまりに異なる田園風景。千春の心情がよくわかる。真帆と千春をつなぐ様々な人々、三つの街を往復する物語は、まさに優しい推理小説-宮本輝さんの世界だ。下巻に続く。2018/09/28




