内容説明
青いサンゴ礁、白い砂浜。誰もが訪れてみたいと思う南海のリゾートには、想像もつかない恐ろしい生物が棲む。沖縄を代表する毒蛇ハブの名を冠すハブクラゲ。貝類で世界最強の毒を持つ美しきアンボイナガイ。運動靴も簡単に貫き通す毒棘を背鰭に隠すオニダルマオコゼ。光を認めると矢のように飛び込んでくるダツ。そしてその神経毒が怖いウミヘビ、圧倒的な咬力で襲ってくるサメ―。沖縄の海を楽しむ前に、ぜひ読んでおきたい一冊。
目次
第1章 新たな危険がそこに
第2章 その名もハブクラゲ
第3章 美しき猛毒貝―アンボイナガイ
第4章 光に向かって飛び込む矢―ダツ
第5章 圧倒的な致命傷を負わせるサメ
第6章 食材としての海洋危険生物
著者等紹介
小林照幸[コバヤシテルユキ]
1968年、長野県に生まれる。明治薬科大学在学中の92年に、『毒蛇』で第一回開高健賞奨励賞を受賞。以後、ノンフィクション作家としての活動を続けるいっぽう、信州大学経済学部に編入、2000年3月卒業。99年には、『朱鷺の遺言』で第三〇回大宅壮一ノンフィクション賞を史上最年少受賞した
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともゑ
5
沖縄の海に棲息する危険な生物について。致死毒系のクラゲやヒトデから物理的に危ないダツ(飛び込んで突き刺してくる)まで…読んだら海で泳ぐのが怖くなる。海は綺麗だけではなくこういう危険があるという事を知らなければならない。実例と対処法の紹介だけでなく生還した海人にインタビューしたり体を張ってクラゲの毒を試してみたり食べてみたりと色々な取り上げ方をしてて飽きずに読めた。2021/01/15
takao
2
ふむ2022/09/09
ao-king
2
「自然を舐めてはいけない」と言われるが、この言葉を本当に理解している人がどのくらいいるのだろう。「自分だけは大丈夫」本書にはこの言葉も数回登場するが、人間は実際に被害に遭うまではこう思って油断してしまうのが本性だと思う。少しでも勉強して、まったく被害に遭わないことは不可能でも、少しでも被害を軽くすることを覚えておくべきだと思った。2012/09/28
胡麻 娘
2
危険生物の啓蒙を意欲的に行いながら、恐怖だけでなく愛情も感じる本。文体はやや古風な講演調だが、緻密で意欲的な調査と薬学の基礎に裏打ちされた専門的視点が力強く説得力ある。頻度としてはハブクラゲが最も危険で、修学旅行には酢を持っていこうと思った次第。生態を十分知り、危険を避け、また危険に遭遇しても正しい知識と適切な対応で命を拾うことができると分かった。また、サメに襲われた海人がそれでもなお淡々と海と生きていく、侮らず恐れず共存する姿勢に心をうたれた。2012/08/05
よしあ
1
海に行く予定はないが好奇心から。危険の啓蒙だが、意外に凄惨な事例が。せっかくだから写真がもっと欲しい。 新書というか、(危険生物を食すという項目で)料理店の紹介もあったり、体験記な面も。2022/11/28
-
- 和書
- D・カーネギー話し方入門