出版社内容情報
乱世の梟雄と呼ばれた戦国大名・北條早雲。弱冠21歳での駿河下向から小田原城の奪取まで、波乱万丈な青春の日々を息もつかせぬ展開で一気に読ませる、従来の早雲像を覆す傑作歴史長編。(解説/縄田一男)
内容説明
応仁の大乱の余燼消えやらぬ室町期。弱冠21歳で駿河・今川家の家督争い仲裁に乗り込んだ伊勢新九郎盛時。彼こそがのちの伊勢早雲庵宗瑞その人である。管領職・細川政元の助力を得て内紛を収めた盛時は、公方の側近にまで登りつめる。だが政争に敗れ、駿河に下向。これにより波瀾の宿命は、彼を小田原城奪取、伊豆平定へと導いてゆく―「乱世の梟雄」と呼ばれた早雲像を覆す超絶怒涛の歴史巨編。
著者等紹介
海道龍一朗[カイトウリュウイチロウ]
1959年生まれ。2003年に剣聖、上泉伊勢守信綱の半生を描いた『真剣』で鮮烈なデビューを飾り、第10回中山義秀文学賞の候補作となり、書評家や歴史小説ファンから絶賛を浴びる。10年には『天佑、我にあり』が第1回山田風太郎賞、第13回大藪春彦賞の候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てつ
38
よかったです。特に後半の合戦の描写は鬼気迫るものがある。 あとがきは白眉。歴史小説家の苦悩がありありと述べられる。オススメ。2021/04/14
如水
33
新説を元に描かれる北条早雲記。まぁ厳密に言えば早雲自体『伊勢氏』で通したし、早雲では無く『宗瑞』なんですけども…と言う事が分かります(笑)話は伊勢盛時(=後の早雲)が駿河へ今川家の仲裁に入る所から出家する所迄の半生で(これで600P?)作者もあとがきで書いてますが、『史実を元に虚構も入れての』話になってます。けど其処までフィクションが入っている訳では無いので絶妙なスパイスで話を綴ってるかと。ただ…好みとしては別れる所なのかなぁ?新史実に忠実なのが良い❗️と言う方は伊東潤作『黎明に起つ』をどうぞ?2018/10/27
金吾
29
名家出身ではありますが、ほぼ徒手空拳から国をとっていく話は面白く、また合戦の部分はワクワクしました。やはり戦国時代は読んでいて楽しいです。2023/02/16
onasu
16
こちらの早雲公は、初回の駿河下向から伊豆の制圧まで。 その駿河下向では、今川家に嫁した姉の北川殿と子の龍王丸の命脈を保つが、駿府の館からの退去を余儀なくされ、それを失策としているのには得心がいったが、現実的にそれより上策があったとも思えない。 また、あとがきでも触れられているが、帰京後に管領家の跡継ぎ、細川政元との関係作りを綴っているのは、その後の展開の種蒔きとして秀逸だし、二度目の駿河下向への顛末もおもしろい。 歴史好きには好著だが、これも触れられていた通り、華がないのは、やや色彩感に欠けるか。2017/10/03
TheWho
14
伊東潤版、富樫倫太郎版に引き続き、初読みの海道龍一朗版の北条早雲こと伊勢新九郎盛時の半生記。物語は、室町幕府申次衆の名代として今川家当主継承問題解決に携わった新九郎が、太田道灌に翻弄された所から始まり、京での奉行衆としての栄達から挫折により駿河下向、そして今川家継承問題の解決かた伊豆進行、小田原進行迄を語られている。特に印象的だったのは、大徳寺での修行の有様と、小田原城奪取の戦いにおける弟弥次郎の死の描写であった。海道龍一朗版北条早雲を満喫した1冊です。2020/07/29
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