出版社内容情報
抜けるも地獄、留まるも地獄。池波正太郎、岩井三四二、岡田稔、風野真知雄、戸部新十郎、山田風太郎。鬼才たちが生み出した女忍者くノ一が、縦横無尽の活躍を見せる時代小説傑作選。(解説/細谷正充)
内容説明
「女」という漢字を分解すると、“く”“ノ”“一”―女忍者の通称である。そのくノ一を主人公にした、傑作六篇を収録。真田方の忍者と徳川方の女忍の因縁のドラマ。愛する新妻が隠密だと知った夫の苦悩。男たちの間を流転する忍びの悲哀…。戦国乱世の裏で、江戸時代の泰平の底で、くノ一たちが濃艶に、きらびやかに乱舞する。本邦初のくノ一アンソロジー、ここに見参!オリジナル文庫。
著者等紹介
細谷正充[ホソヤマサミツ]
1963年埼玉県生まれ。時代小説とミステリを中心に、文芸評論家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むつこ
21
風野真知雄の「妻は、くノ一」の原案となる作品が読みたくて手に取った。どの作品もオンナを武器に、なぜ、ここでエロシーンが必要なのだろうと思いながらも、くノ一たちの冷静さに、ココロと身体は別物で凛としたカッコよさを感じた。2015/08/20
bieo
2
白土三平の画を思い浮かべながら読了。いずれも哀愁の漂う女忍者の話し6編。下記3つはなんとも言えない余韻が残った。 帰蝶:やるせない切なさ 怪奇、百狼譚:憐れ、悲哀の漂う切なさ 妻は、くノ一:ぴゅあで苦い切なさ有名な山田風太郎さんの文章は自分には読みづらかったなぁ…。2015/05/12
ひさか
2
2013年11月刊。6編のアンソロジー。風野さん、山田さん以外は初読。なかなかに面白い。やぶれ弥五兵衛(池波正太郎)、帰蝶(岩井三四二)、怪奇、白狼譚(岡田稔)、妻は、くノ一(風野真知雄)、艶説「くノ一」変化(戸部新十郎)、くノ一紅騎兵(山田風太郎)2015/04/23
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
1
やぶれ弥五兵衛 池波正太郎/帰蝶 岩井三四二/怪奇、百狼譚/妻は、くノ一 風野真知雄/艶説「くノー」変化 戸部新十郎/くノー紅騎兵 山田風太郎/編・解説 細谷正充 時代を遡るほど「くノー」の類型から逃れられぬのね。2015/10/28
いえのぶ
1
くノ一を扱った時代小説のアンソロジー。池波正太郎、山田風太郎、風野真知雄ら6人の作家の短編を集める。それぞれの特徴があり面白い。風野氏ノ作品は後に同名のシリーズとは別物。ぼんやりとした侍に嫁いだくノ一という設定はこの作品が元となっている。2014/02/08