出版社内容情報
39歳、独身。結婚って、幸せですか?
「結婚小説」を書くためにリサーチを始めた作家の貴世。潜入した蕎麦打ち合コンで、ある男性と出会い、遥か遠くにあった結婚がついに現実に!? 幸せのかたちを模索する恋愛小説。(解説/山田昌弘)
内容説明
貴世は39歳、独身、小説家。体験のない「殺人」は書けても、体験のない「結婚」が書けずに悩んでいる。そんな貴世が、結婚小説のリサーチのため蕎麦打ち合コンに潜入。なんと急性蕎麦アレルギーを発症するものの、朦朧とする意識の中で、ある男性と出会い…。出会いをよせつけない磁場を抜け出して、遠かった「結婚」がついに現実に!?幸せを求めて、貴世が選んだ「私らしい結婚」の答えとは。
著者等紹介
中島たい子[ナカジマタイコ]
1969年東京生まれ。多摩美術大学卒業。放送作家を経て脚本家に。2004年『漢方小説』ですばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
67
結婚披露パーティーで、開始の挨拶が新婦の結婚しません宣言とは。新郎にも事前に相談もしないで突然なのにはびっくり。列席者や福原さんが気の毒。しかも物語の最後には、子供を持たない宣言まででてきました。何だかなぁ〜。万が一入院・手術となった時、法的に家族でないと困った場面が出てくるけど、どうするのかな?なんて、色々考えてしまいました。貴世さんはともかく、福原さんもそれでOKならハッピーエンドなのかな。2016/09/06
なゆ
67
途中までは、ああこれは〝あきらめかけてた結婚までの道のり小説〟なのかと思って読んでたが、そうではないのね。自分なりの幸せを見つける、ということなのね。確かに、恋愛の後には結婚、そして出産があるものだと無意識に思ってたけど、それに疑問を持ったっていいよね。強い意志さえあれば、周りも納得するしかなくなるだろうし。そんなことを改めて思った。結婚に向かう貴世と、主婦の英子と、独身の里香、女友達3人組が本音で結婚についての会話が、結構リアル。「結婚しちゃうと、あんなに変わるもんかね」というセリフには耳タコなので。2016/08/18
ラテちゃん
28
面白かったのだけど最後まで福原さんの本音が見えない気がして少しもやもや。個人的には小野くんに魅力を感じた。読了後、世間体とか年齢だとか性別だとかそんなフレームにはめ込まない自分なりの幸せって何だろうと考えている。2015/04/20
coco夏ko10角
27
主人公が考えてることは分からんでもないけど、同じことはできない…。でも本人達がいいなら、こういう選択肢もきっとありなんだろうな。2015/03/16
*mayu*
25
漢方小説以来の中島たい子さん。この人の描く主人公はさっぱりしてて読んでいて気持ちが良い。本作もありきたりな彼氏無しの独身アラフォー女性が運命の人と出会い結婚してめでたしめでたし…みたいは話だとばかり思っていましたが良い意味で裏切られました(笑)まだまだ理解されない方法を取った2人だけれど、戸籍もなぁ…色々しがらみがあるし、何より結婚は女性にとって生まれ変わりに等しいもの。慎重に考えなければ…なんて読みながら考えちゃいました!面白くて一気読みでした!!2015/07/11